「タイトル 斬魔の鳳 (ざんまのおおとり)」

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制作予定のゲーム 〜想い出シリーズ 斬魔編 〜 に登場する一人を主人公にしてみました。
サラっと書き上げたので、色々コネコネしてないので、アレな部分もおおいですが!
あ、最初に言っておきます。語りべ無双です、はい。
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♂ 2 不問 2
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鬼嶋 時継 ♂ (きじま ときつぐ)

髪は肩くらいの長さで、眼鏡をかけた、優男風の成年。
悪霊退治の依頼を受け、自らの里から村にやってきた。
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村長 不問(一応おじーさんという設定ですが、老婆にしてしまっても)

時継に亡霊退治を依頼した村の村長
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大将 ♂ 時継がやってきたのを見越していたかのように、斬魔討伐の命(めい)をうけたとし、村にやってくる。
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語りべ 不問

相変わらずの、語りべ無双ですが、ゆるしてくだしあ
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村長 「こちらですじゃ」

語りべ
村長に案内された場所にいってみると、そこには黒くよどんだ空気と、苦悶の表情を幾つも蠢(うごめ)かせている”モノ”がいた。

時継 「これは・・・・」

村長 「・・・・これが現れてから、作物も育たず、病で倒れる者も・・・」

時継 「大丈夫ですよ・・・・これは・・・・いえ、説明はあとにしましょう」

語りべ
時継の存在に怯えたのか、、その亡霊はなりふり構わず時継に襲いかかった。

時継 「ふっ!!・・・・暫くの間、ゆっくりと眠りなさい」

語りべ
時継の刃に両断され、亡霊は四散し消えていく。
それを見ていた村長は、感嘆の溜息ともに呟くように言う。

村長 「・・・・儂らを長い間、悩ませ続けた霊が・・・・なんとも、呆気ないものですなぁ」

語りべ
ことが終わり、時継は村長の家へと招かれ、村人たちからも、歓迎される。

村長 「作物も育だたぬゆえ、このようなものしか出せず、申し訳ない限りですじゃ」

時継 「いえ、お気になさらず・・・・」

村長 「ここまでの旅費だけでいいと・・・・本当に、報酬はよろしいのですか?」

時継 「ええ、元々わたしたちは、報酬が目当てではありませんから」

村長 「・・・・あなたたちが迫害を受けているわけが、儂にはわかりませぬ」

時継 「・・・・私たちも、迫害を受ける筋はないと思ってはいますが・・・・」

時継 「やはり、異質なのでしょうね、この”力”は」

村長 「それでも、、儂らはその力に助けられたのじゃ、、解せぬ話じゃ」

時継 「・・・・・・・」

村長 「・・・・・・して、あの亡霊は・・・いったいどこから現れたのじゃろうか?」

時継
「あの亡霊は、この村の、、この地の者達ではありません。
ここからそう遠くないところから、そう、やってきた、逃げてきた、と、言った方がいいでしょう」

村長 「逃げてきた・・・・それはまた、どういうわけじゃろうか?」

時継
「それは、わたしにも・・・・ただ、怯えていましたね。
怯えと、恐れと、怒りと、、色々な物が混ざり合っていましたね」

村長
「・・・聞くところによると、斬魔の力は魂を滅ぼすと聞いたことがあるのじゃが・・・・」

時継 「そう、、ですね、滅ぼします、魂そのものを」

村長 「では、あの亡霊も?」

時継 「いえ、他の者は、力を使う使わないを選べませんが・・・・私の場合は選べます」

村長 「つまり、滅ぼすことも、、生かすこともできる、と?」

時継
「そうですね・・・・ただ、私たちには霊能力というものがありません、なので、、力を使わないと霊には無力なのですが・・・・」

語りべ
そう言ってから、時継は自らの刀を示しながら言う。

時継 「この刀は霊刀といわれるもので、刀事態に霊力が宿っています」

時継 「なので、霊能力がない者でも、霊を斬ることができるんです」

村長 「では、先ほどの霊は、、」

時継 「ええ、私の力ではなく、この刀の力ですので、滅びてはいません」

語りべ
それを聞いて、少し安堵したように村長は呟く。

村長 「そう・・・・じゃったか・・・・」

時継 「・・・・・・・」

語りべ
そして少しの沈黙の後で、村長は言葉を続ける。

村長
「儂にも、なんとなく、あれが、苦悶や苦しみでできた者だというのが、わかっておったのですじゃ」

村長
「あれは、生前にも苦しみを背負って生きてきたはずじゃ、、と、そうおもうと不憫で・・・・」

村長 「時継さまの話を聞いて、少し安堵しました」

時継 「それならば、わたしがきて、よかったです」

語りべ
そのような話をしながら、時継は一晩だけ泊まらせてもらい、次の日の朝早くに出立の準備を整え、村を出るあいさつをしていた・・・・。

村長 「恩人に対して、一晩だけとは、なんとも無礼な話ですじゃ・・・・」

語りべ
村長と見送りにきた村人達が礼をいうなか、時継は答える。

時継 「いえ、オジヤ、おいしかったですから、満足ですよ」

語りべ
そのときに、むこうの方で砂煙が上がるのが見える・・・・。
やがて、大勢の人と馬に乗り、それを率いる男が現れた。

大将 「控えぇーーい!!この村が斬魔を匿っているのはわかっている!!差し出せ!!」

語りべ
やってきた男の言葉に、狼狽する村人たちをよそ目に、男は続ける。

大将 「さぁ!斬魔を差し出せ!!」

語りべ
男の言葉に紛れて、村長がぼそりという。

村長 「時継さま・・・・ここは、なんとか誤魔化しますゆえ、どうか・・・・」

時継 「そんなことをしたら、あなた達が大変なことになるでしょう」

語りべ
そういうと自ら、時継は男の前に出て行く。

時継 「わたしが、そうですが・・・・」

大将 「貴様が?こんな奴が、斬魔だと?・・・・ふん!」

時継 「わたしが、斬魔では、不都合でも?」

大将 「まぁいい、貴様が大人しくお縄につけば、村人の命は保証してやらんこともない」

時継 「・・・・わかりました」

語りべ
言うとおりに、自らの元へと歩み寄ってきた、時継に大将は言う。

大将 「ふふふ、これで儂の名声も上がるというものよ!!」

語りべ
言うや否や、腰の刀を抜き払い、時継に斬りつけた。

村長 「ぐっ!!」

時継 「・・・・!」

語りべ
時継に向けられた刃を、村長が短刀で受け止める。

村長 「村を、、村を助けにきてくれた者を、、みすみす死なせるわけにはいかぬっ、、っ!!」

大将 「ぬ、このっ!!老いぼれが!!」

村長 「ぐふっぅ!!!」

時継 「村長さま!」

語りべ
足蹴にされた村長に時継は駆け寄る。

村長 「っぐぅ、、、む、だな、、ことじゃ、、、」

時継 「どこか、お怪我は?」

村長 「どのみち、あなたが殺された後に、村は焼き払われてしまうじゃろぅ」

村長
「斬魔と関わった者、関わりのない者・・・・関係がないのじゃ、目をつけられたら、おしまいなのじゃ・・・・」

語りべ
村人のだれかが叫ぶ、そのとおりだ、幾つもの村がそうして焼かれたと・・・・。

大将 「ははは!その通りだ!斬魔を匿(かくま)った罪は、万死に値するのだからなぁ!!」

語りべ
静かに言葉を聞いていた時継は、ゆっくりと立ちあがると、呟く。

時継 「・・・・・・人は、そこまで外道に落ちたのですか」

大将 「うっ・・・!!」

語りべ
時継の瞳・・・・朱色に淡く光る瞳、その眼光に、軍の大将はたじろぐ・・・・。
先ほどまで、普通の黒い瞳だった・・・・。

斬魔守護家系の全てを統べる者、それが彼にかせられた役目でもある。

斬魔の長、その血を受け継いだ者の、瞳の色はみな、朱い。

真っ赤な深紅に染まった、朱い、紅い、瞳・・・・。

無論のこと、彼は、斬魔の長ではない、、だが、彼は、、長と夫婦(めおと)の契りを交わした男と同じく、、特別だった・・・・。

それが、彼が斬魔の長を守護する 浅間(あさま)、斬菊(ざんぎく)、草露(くさつ)、そして鬼嶋(きじま)の4家を統べる由縁・・・・。


大将 「くっ!抵抗するか、、皆の者!!こやつを討ち取れぃ!!」

語りべ
恐怖で動けない者もいたが、大将の命令を受け、兵士たちが一斉に時継に襲い掛かる。

時継 「四貫閃 夕螺継 (しかんせん ゆらつぎ)」

語りべ
抜刀した時継は呟くように言いながら、弧を描くように体を回転させる。

その刹那(せつな)時継に襲い掛かった兵たちは、まるで何かの冗談のように襲い掛かった時の逆再生のように、弾け飛び、身を斬り裂かれ、物言わぬ骸(むくろ)となってゆく・・・・。

大将 「ぐっ・・・お、おのれぇぇいいぃぃ!!」

時継 「一貫閃 旋風 (いっかんせん つむじ)」

語りべ
ほどなくして大将も、時継の振う刀の前に倒れた・・・・。
驚嘆する村人に混じり、村長は呟く。

村長 「これが、、斬魔の、力・・・・」

語りべ
刀の血を振り落とし、鞘に納めた後で、時継は村人たちに振りかえると言う。

時継 「・・・・すみませんが、私一人では荷が重いので・・・・」

語りべ
そういって、自らが葬った者達の亡骸を埋める手伝いを、村人たちに頼み、全てが終わったのちに村を後にした時継の背中を見つめ、村長は呟く・・・・。

村長 「鬼に横道なしとは、よくゆうたものよ」

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語りべ
後々、この村は斬魔の隠れ里を護るために戦い、殆どが死に絶えることになる。

この時継という男も、皆を護るために、人間の軍勢と戦い死んだという。

時継を慕い、逃げろと言われたのを無視して、密かについてきた、矢響家(やひびきけ)の次女
爾音(におと)と、共に戦い、共に墜ちたという・・・・。

時継は自らを鳳(おおとり)に例え、爾音を自らの翼に例えていたという・・・・。

幾つもの村が焼き払われ、他の斬魔を護ろうとした者も、斬魔を守護した家系も、浅間家を残し
・・・・斬魔を迫害した人間に異を唱え、同じように迫害され、それでも共に生きることを約束した
矢響家と、その分家である、阿頼地(あらち)家を護り、死んだいう。

矢響家の長であり、破魔の巫女とよばれた少女、矢響初音(やひびき はつね)は、新たな隠れ里を見つけ、斬魔の生き残りと、矢響家(やひびきけ)、阿頼地家(あらちけ)、そして、、、戦場で逸(はぐ)れた長の子を見つけ育て上げたのち、齢(よわい)30で死ぬ時まで、死んでいった者達を弔い、身寄りのなくなった孤児たちを育てたという。

滅ぼす事しか出来ぬ故に、、我、、生魂(せいこん)を願う・・・・。
七つを生き、七つに死、七つにて、魂に救いと安息を願う・・・・。
願うならば、汝らが我らにその刃を向ける事無きを願う。
さすれば我等、汝らに滅びを与えることは無し・・・・。

鬼の血をひいていたと言われる、斬魔・・・・魂そのものを滅ぼし、輪廻転生の望みを絶つ者・・・・。
その殆どは滅びているが、いまも、どこかにその里はあるという・・・・。
破魔の巫女の血筋である、阿頼地家と、斬魔の血を受け継ぐ者達が住む、小さな里は、いまもどこかに、あるという・・・。



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