タイトル「綿雲の魔女」

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♂5 ♀ 7 不問1 計13人ですが、まぁ、またいつもの通り、被り推奨ですw

登場キャラクター/被りの場合 ♂2 ♀3 不問1 (ナレーター無双です、やる人は覚悟をw)
キャラの説明はヘビーなことになるので、書きませんでしたwwインスピレーションで言っちゃってください!
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ナレーター (語りべ) 不問
(キャラの名前が無いセリフを読んでくだしあ。ナレーター無双になってますが、ゆるしてね)

                被りの場合

アリサ ♀ アリサ&魔法使い&ナルリア
ジェナ ♀ ジェナ&シーフ
グレン ♂ グレン&剣士

シルフィ ♀ シルフィ&少女

ナルリア ♀
ガーランド(龍) ♂ ガーランド&大男&セティル

剣士 ♂
大男 ♂
魔法使い ♀
シーフ ♀
少女 ♀
セティル・アズナード ♂

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物語の始まりは、小さな村の小さな魔女の話。

村の外れにある、林の中で一人で暮らしている。

村の人たちも魔女がいるというので殆ど近寄らない。

とはいっても、別に迫害をしたり、追い出したりするわけでもなく。

只そこに、魔女がいる、ということを知っているだけ。

気味悪がる、というか、少しだけ、魔女が怖いことをしないだろうか?という不安があるだけ。

それでも、別段、魔女も村人や村に対して何かをするわけでもなく、ひとりでそこで暮らしているだけ。

ああ、それと、この村は、半年に一回、お祭りをする。

普段はただの、のんびりしてしずかな村も、お祭りのときは外からも人が来たりして、賑やかになる。

そう、今日はそのお祭りの日・・・・。

魔女の少女は、文字通りのお祭り騒ぎで、煩い村のざわめきを聞きながら、「・・・・うるさいわね・・・」とひとりごちる。

そして、窓の外に立ち、少し村の方角をみたあと、なにやら右手に棒のようなものを持ち、円を描くように踊った、すると、左手から銀色に光る糸のようなものが出てきた。

それを魔女は棒にまるで式をとるように巻き付ける、、はたから見たならば、白く光り輝く糸を纏い、可憐に舞を舞っているようにもみえる。

・・・・・・・・・やがて魔女は、その棒に巻きつけた、、、雲?のような物を口にはこぶ・・・・どうやら、あれは食べ物のようらしい・・・・。

っと、それを外から覗いてみていた幼い少女がいたことに、魔女は気が付かないでいた。

お祭りに浮き立つ村、、そこに、一人の盗賊風の冒険者がいた。

お祭りのような騒ぎが好きなのだろうか、色々なものを見たり、村人と話したりしている。

その冒険者はひとしきり、お祭りを楽しんだ後、少々疲れを癒すために村の脇にある小さな小川に腰掛けた。

そこにさっき、魔女の家を覗いていた少女が、やや興奮したように走っていく。

その先には、その子の両親だろう、その幼い少女は、その両親になにやら話かけていたが、やがてションボリと諦めたようにトボトボと、冒険者がいる小川のほうに歩いてきて、少しはなれたところにちょこんと座った。

冒険者はその少女に話しかける、「やあ、どうかしたのか?」少女は冒険者に成り行きを話す。

魔女の家を覗いて見たことと、「魔女のおねーちゃんが食べていたもの、それが食べてみたいの」、、と、パパとママにそういったんだけど、駄目って言われちゃった、とはなす。

冒険者は、少し考えた後、「よし、んじゃ、もらってきてやろう!」といった。

そして、その冒険者は少女に教えられた魔女の家にむかう。

コンコン!・・・・・・魔女の家に着いた冒険者は、とりあえず、ドアをノックしてみる。

ガチャ・・・・・・・普通に魔女の少女がドアをあけて、冒険者を訝(いぶか)しげにみつめて言う。

アリサ
「あんた、、だれよ?」

ジェナ
「あ、いた、、ああ、えっとですね、その、、、あんたが食べてた物、、、雲みたいなの?をいただけないかと・・・・」

ジェナ
(魔女って言うから、てっきりばーちゃんがでてくると想ったのに・・・・そういえば、おねーちゃんとか言ってたっけ・・・・)

アリサ
「いきなりきてなによ、あんたなんかにあげるわけないじゃない、とっとと帰りなさいよ」

にべもなく魔女は言う。

諦めずに冒険者は、もう一回頼んでみる。

ジェナ
「むぅ、すこしは考慮してくれたって・・・・じゃ、じゃあ、どうしたらくれるんだ?」

アリサ
「あんた、、わたしの話を聞いてないわけ?あげないって言ったでしょ」

ジェナ
「なにおー!少しくらい良いじゃん!ケチ!ドケチ!ちょーケチンボ!!!」

アリサ
「なっ!なんですって!?それが物をもらう分際の言い方!?」

ジェナ
「最初丁寧に頼んだじゃん!!」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

という、すこしの口論が過ぎ・・・・魔女も冒険者もはぁはぁと息をする。

アリサ
「しょうがないわね・・・・じゃあ、いいわ、お祭りが終わるまでの間に、わたしを捕まえられたら考えてあげる!」

ジェナ
「へっ!?鬼ごっこでいいのかよ!?」

アリサ
「う、うるさいわね!やるの!?やらないの!?」

ジェナ
「やるよ!!捕まえれば良いんだな!!身軽さとすばやさには自信があるんだぜ!」

意気込む冒険者に魔女は付けくわえるように言う。

アリサ
「言っとくけど、わたし、空飛べるから」

ジェナ
「ハァ!!??」

空を飛べるといいはなち、箒に跨り空を飛んでいく魔女みて「反則じゃ〜〜〜!!」と叫びつつ、それでも魔女を追いかける。

谷を抜け、森を抜け、滝を・・・・・・・と、いうような大げさな話ではないが、やがて温泉が沸き立つ山の上に着いた。

ジェナ
「ぜぇはぁ、ぜぇはぁ、追いついたぞ〜」

アリサ
「なによ、まだ捕まってないんだけど?」

ジェナ
「それにしても、あんまり早くなくてよかったよ、、目で見えるくらいの高さだったし」

アリサ
「う、うるさい!あれでも精一杯なのよ!!」

ジェナ
「へー、、、あ、もしかして・・・・太ったとか?」

アリサ
「なっ・・・・!!ちがっ!!」

ジェナ
「スキ有りっ!!!」

アリサ
「エ!キャッ!」

アリサ
「熱っ!!」

慌てて飛びのいたため、源泉に近い熱湯のなかに片足を落としてしまう。

ジェナ
「あ!!ご、ごめん・・・・」

アリサ
「うっ・・・・た、大したこと無いわよ!このくらい・・・・」

明らかに強がる魔女に冒険者は言う。

ジェナ
「うーん、休戦といこうか、薬とか塗らないと・・・・」

アリサ
「もう!このくらいこうやって魔法を使えばすぐ治るわよ!」

魔女はそういうと、火傷した自分の足に手をかざす・・・・。

ジェナ
「・・・・それで治ったの?」

アリサ
「ええ、完璧よ!」

アリサ
「さ、続きよ!!捕まえて・・・・」

自分の傷を治して、鬼ごっこの続きをしようという魔女の、その袖口をすでに掴んでいる冒険者。

ジェナ
「ニヒヒ、つかまえたー」

アリサ
「な、、なななななな、ひ、ひきょうよ!休戦じゃなかったの!?」

ジェナ
「え〜だって、休戦するっていったのに、そんな必要ないみたいなこと言ってたしぃ〜=3=」

アリサ
「なっ!!ずるい!」

ジェナ
「・・・・・・・じゃあ、もう一回追いかけっこする???」

アリサ
「はぁ、、、もう、遅いし、良いわよ・・・・で、綿雲を創れば良いのね・・・・」

ジェナ
「え?いいの?」

アリサ
「いいっていってるでしょ!」

そういうと魔女は、家でしていたのと同じように、手に小さな棒をもち、円を描くように踊る。

ジェナ
「おー・・・・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

アリサ
「ほら、できたわよ」

ジェナ
「え、あ、うん・・・・」

魔女の舞に目を奪われていた冒険者は、いきなりズイっと魔女に渡された物に少し驚きながらもそれを手に取る。

ジェナ
「・・・・・・」

それはふわふわしていて、とても柔らかく、なんだか、雲みたいな食べ物だった。

不思議そうにそれを見ている冒険者に魔女は言う。

アリサ
「食べないの?早く食べないと溶けちゃうわよ」

ジェナ
「え、あ、、あ、これ、頼まれたんだけど・・・・溶けちゃう?」

アリサ
「・・・・はぁ、、もう一個つくってあげるから、とりあえずそれ食べちゃいなさいよね!」

ジェナ
「うん」

パクリと、それを口に運ぶ冒険者・・・・。

ジェナ
「おいしい、なんだか、、優しい味・・・・」

アリサ
「・・・・・・」

ジェナ
「ありがと、おいしかったよ!」

アリサ
「そ、そう、よかったわね、で?もう一人いるんでしょ?綿雲食べたいって人?」

ジェナ
「うん、案内するよ」

冒険者はそういって魔女と一緒に、あの少女のところに向かう。

冒険者に気がついた少女は小走りに駈けて来て、魔女をみていう。

シルフィ
「あ、まじょのおねーちゃんだ」

ジェナ
「約束どおり、ちゃんとあの食べ物、えっと、綿雲?創ってくれって頼んでつれてきたぞ!」

シルフィ
「わぁ!」

アリサ
「もう・・・・しょうがないわね」

魔女は、また、綿雲という食べ物を創るために、舞いを舞う。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

シルフィ
「キレイ・・・・」

ジェナ
「うん・・・・」

魔女の舞いをみた少女は呟く・・・・。

冒険者もはじめてみたときに、そう想ったことを頷くことで肯定する。

アリサ
「はい、できたわよ」

そうこういう間に、綿雲という食べ物を創り終えた魔女がそれを少女に渡す。

シルフィ
「わー、ありがとう」

そういったあとで、少女はそれを口に含む。

シルフィ
「甘くて、おいしー!」

はむはむと、綿雲をたべる少女に魔女は話しかける。

アリサ
「村の人はわたしに近寄らないのに、、怖くないの?」

シルフィ
「ん?おねえちゃんのこと?別に怖くないよ、それに何度か窓から覗いてたし」

アリサ
「覗かないでよね・・・・」

シルフィ
「えへへ・・・・村のみんなも、別に怖がって無いよ、ただ、えたいの知れない変なところには自分からはいかない、みたいなこといってた」

アリサ
「えたい、、、へん、、ですって・・・・」

少女の言ったことに、魔女は顔をこわばらせる。

ジェナ
「プッププ」

そんな魔女をみて、冒険者は噴出す。

アリサ
「わ、わらうんじゃないわよっ!!」

少女はその綿雲を食べ終わると言う。

シルフィ
「ごちそうさまでした、ありがとうおねえちゃん!」

シルフィ
「今度、また創ってもらってもいい?」

ため息混じりに魔女は言う。

アリサ
「今度ね、今度、」

シルフィ
「それじゃ、おねーちゃん達、またねー!」

少女は満足したのか嬉しそうに家に帰っていった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・気が付くと、すでに空は暗くなり始めていた。

ジェナ
「うーん、そいえば、泊まるところを探すの忘れてた・・・・野宿しよう、うん」

アリサ
「野宿って・・・・家、くる?」

ジェナ
「え!いいの!?やったー!ありがとー!!」

アリサ
「なっ、べ、べつに、わたし一人しかいなし、寝、寝る場所くらいあげるわよ!そこまで喜ばなくてもいいじゃない!」

そうして、二人は魔女の家に向かう。

ジェナ
「そういえば・・・・」

アリサ
「なに?」

ジェナ
「脚の火傷、本当に治ってるの?」


アリサ
「平気よ、ほら」


ジェナ
「ほんとだ、真っ白で綺麗な脚だ」

アリサ
「な、なによ・・・・えっ!ちょっと!!」

いきなり見せた脚を手でさする冒険者に驚く魔女の少女。

ジェナ
「よし、あたしから泊めてもらうお礼をさしあげよーではないか!」

アリサ
「え、べ、べつにいいわよ!」

ジェナ
「ん〜、なんにしよーかなぁ・・・」

アリサ
「ちょっと、べつにいいってっっ!!?」

いきなりキスをされて目を白黒させる魔女の少女。

ジェナ
「にひひ、あたしのファーストキス!をあげよー!」

アリサ
「!!!!わ、、わたしだってはじめてよっ!!てゆーか、、あんた女でしょ!女同士なのに、こんなっ・・・・」

ジェナ
「あ、駄目だった・・・・ってか、怒った;?」

アリサ
「お、怒るにきまってるじゃない!ばか!ばか!ばか!」

ポカポカ叩いてくる魔女に謝りながらいう。

ジェナ
「ごめんごめん、じゃ、じゃあ、友達になろうよ!」

ピタっと、、魔女の手が止まる・・・・。

アリサ
「とも、だち・・・・?」

ジェナ
「そ、ともだち、あんた寂しそうだったし、ずっと一人で友達とかいないんでしょ?」

アリサ
「ちがうわよ!ちがくないけど、ちがうわよっ!!」

ジェナ
「・・・嫌?」

アリサ
「うっ・・・・・い、いいわよ、、ともだちになってあげるわよ・・・・」

ジェナ
「魔女と友達なんてすごいし!・・・・あ、でも一応いっとくけど、同情とかで友達になるんじゃないからね、あんたのこと、気に入ったし・・・・てか、同情でファーストキスくれてやるとかありえんし」

アリサ
「あんたねぇ・・・・泊めてもらうお礼とかでするのだって、ありえないわよ!」

ジェナ
「ニッヒヒ、それは方便、したかったからした!」

アリサ
「あ、あんたねぇ・・・・」

ジェナ
「そういえば、名前きいてなかったね、あたしも言ってなかったし」

そんなこんなで、魔女も冒険者もそろそろ横になることにする。

ジェナ
「・・・・・・・・えっとぉ、あたしはここなの??」

アリサ
「あたりまえでしょ?不満なわけ?」

ジェナ
「うー・・・・だって、どうせなら、、、ねぇ?」

といいながら、魔女の寝ているベットに向い、、そして素早く潜り込む。

アリサ
「ちょ!!あんた、なにしてるのよ!!」

ジェナ
「いいじゃん!一緒にねよーぜ!!」

ジェナ
「うわ、柔らか!もっとすりすりしちゃおー!」

なんてことを良いながら、魔女の頬に自分の顔を摺り寄せる。

アリサ
「ちょ!!やめなさいよっ!!てか、おとなしくそこで寝ろー!!」

なんだかオヤジのよーなスキンシップをしてくる冒険者に文句をいう魔女・・・・。

アリサ
「ひゃん!!!」

ジェナ
「ワンピースだから、、、捲ったりするのが、、、にょほほ、小ぶりだけど、、すべすべで、、良い形」

アリサ
「ちょ!!だからってスカートからっ手をっ!!!!はうゅ!!そ、、それにあんただって大して大きくないじゃない!!」

ジェナ
「あたしはそんなこと、気にしないからいいもんねー、そんなことより・・・キスより先のこと、、するよ!!」

アリサ
「ね、、ねるんじゃなかったの!!も、あう・・・・!!や、、やぁ・・・・・・」

ジェナ
「にひひひ!!おっぱいで、、これなら、、、、ここなんて・・・・・」

アリサ
「!!!!!!ば、、ばか、そんなところ、、さわっちゃ・・・・汚い、、わよ・・・・」

ジェナ
「・・・・汚くなんて、無いよ・・・・」

アリサ
「ば、ばかぁ・・・・」

ジェナ
「なんたって、冒険してるときなんて数日どころか、かなり長い間お風呂とかなんて入れないし!!!だから!大丈夫!!」

アリサ
「なっ!!何が大丈夫なのよ!?」

ジェナ
「うん、、良い匂い・・・・」

魔女の大事なところを弄った指の匂いを嗅いで、、冒険者は言う。

アリサ
「か、、、嗅ぐなっばかぁ!!!」

ジェナ
「良い匂い、だよ、、」

アリサ
「っ・・・・ばか、、ばかぁ」

ジェナ
「さ、、まだまだいくよ・・・・・・んふ、もう、あたし無しじゃ駄目にしちゃおう・・・・」

アリサ
「っ・・・・な、、なにが、っ、よぉ、、、、はう、、んっ、く・・・・ば、、ばかじゃ、ないの・・・・もうっ、、」

ジェナ
「ばかですよぉ〜っ、だから、、こっちも!」

アリサ
「え!!そ、、そ、、、そそそそそそそこ、、って、、お尻の!!ばか!!本当に馬鹿!!止めなさいよっ!!」

ジェナ
「むぅ、そこまで怒ること無いじゃん!」

アリサ
「おっ、、、、怒るわよ!!おかしいんじゃないの!?馬鹿!!馬鹿!!変態っ!!」

ジェナ
「・・・・むっ、、、あたしも、、なんかムカっときた!!友達になるの、やめちゃおうかな〜?」

アリサ
「えっ、、あ・・・・・・」

ジェナ
「・・・・・・・・・」

アリサ
「・・・・・・・・・」

暫く見詰め合う、、二人・・・・・・じわりと、魔女の瞳に涙が溜まり・・・・。

ジェナ
「えっ!?あ、、、ごめん、、流石にいまの冗談は、、言いすぎ、、だった、、、」

アリサ
「っ、、っ・・・・うぇ・・っ、、」

ジェナ
「ちょ、ちょっと、、嘘!嘘だよ!!だから泣くなってば!!あたしが悪かったって!!」

ちょっと苛めて見たくて、冗談でいったつもりではあった、けど、、魔女にとっては相当ひどいことを言ってしまったと、すごく後悔する。

アリサ
「っ、、、、うえぇ、、、ばかぁ、、ばかぁ・・・・ぐす、っ・・・・わたし、、本当に嬉しかったんだからね、友達、、初めて、、、なのに、、、だから、、嘘でも、、そんなこと、、言わないで、よ、っ・・・・」

ジェナ
「・・・・あ、、う・・・・あーーーーーー!!もぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!かわいいなぁぁぁぁぁぁ!!!」

ぎゅっ!とそんな魔女を抱きしめる・・・・魔女も、冒険者に抱きついてくる。

ジェナ
(なんだか、あたしの方がこの娘から離れられなくなりそう・・・・可愛過ぎ、反則だよ、反則)

柔らかくて、、良い香りのする、、魔女の少女と抱き合いながら、、そんなことを想う。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

二人はそのまま抱き合いながら、、いつの間にか一緒に眠りについて、次の日の朝を迎えた。

アリサ
「次は、、いつくるのよ・・・・」

ジェナ
「うーん、ここからちょっといったところに、遺跡があるらしくて、そこにお宝が!」

アリサ
「そこって、、どこ?このあたりに遺跡なんてないわよ」

ジェナ
「んっとねぇ・・・・・・」

なにやらゴソゴソとポケットの中をまさぐり探し、一枚の地図をだして、紅くバッテンマークが書かれたところを指差す。

ジェナ
「ここなんだ」

アリサ
「・・・・・・あのね、ここって片道だけでも2ヶ月はかかるわよ・・・・」

ジェナ
「んと、そんなに遠いのか!」

アリサ
「あんたねぇ・・・・こんなに遠くちゃ、、次に会えるの随分先になっちゃうじゃない」

ジェナ
「え、なに寂しいの?あたしが恋しいんだ〜」

アリサ
「もう!しらない!!とっとといって、とっとと帰ってきなさい!」

照れ隠しだろう、ポカポカと冒険者を叩く魔女。

ジェナ
「いたたた、ぼーりょく反対〜〜〜!」

ジェナ
「次に会えるのは、多分お祭りの時かな?半年に一回あるみたいだし」

アリサ
「そうね・・・・。長いわよ・・・・。」

ジェナ
「・・・・・・・・」

アリサ
「・・・・・・・・」

ジェナ
「それじゃ、いってくるよ」

アリサ
「・・・・うん」

ジェナ
「あ、そうだ、これと、それ、交換しようぜ!」

そういって、冒険者は自分の服についていた、メダルのようなものを魔女に渡し、代わりに魔女の襟首についていたリボンのついているボタンをとった。

ジェナ
「お互いのお守り代わり」

アリサ
「うん」

ジェナ
「スキあり!」

アリサ
「んっ!」

冒険者は、魔女の唇を夜のときと同じようにいきなり奪う。

フワッとして、柔らかい、まるで、、彼女のつくった綿雲のような唇の感触。

アリサ
「も、、もう!!!はやくいっちゃいなさいよねっ!!」

ジェナ
「あはは、いってきまーーーす!!またねっ!アリサ!」

アリサ
「うん、次のお祭りの日までに帰ってきなさいよね!約束だから!命令なんだから!わかったわね!?ジェナ!!」

ジェナ
「あいよー!!帰ってきたら、あたし、アリサと一緒に住むからっ!!!」

アリサ
「ちゃんと無事に帰ってきたら、そしたら、住ませてあげてもいいわよっ!!」

ジェナ、魔女のはじめての友達になった、冒険者の少女は次のお祭りの日までに、また帰ってくると約束をして、魔女の少女・・・・アリサの家をでた。

ジェナの姿が見えなくなっても、暫く、アリサはジェナが去った方向を見つめ、やがて家の中に入っていった。

・・・・・・・・・・でも、次のお祭りの日が近づいてきても、ジェナがアリサの家を訪れることはなかった。

遺跡で宝物を見つけたはいいが、守護していた魔物に襲われ、逃げながらトラップを掻い潜り
傷ついた体でなんとかこの村の近くの大きな木までたどり着いたが、、もう体が動かなくなり木の根元に倒れ込んでいたところを、通りかかった一人の冒険者が見つける。

驚いた冒険者の男が駆け寄り、、その少女を抱き起こす、、、その男に抱き起こされながら、ジェナは呟く・・・・。

ジェナ
「む、、ら、、に、、、むら、、に・・・・いか、、ない、、と、、、、やく、、そ、く・・・・」

そう言いながら、ジェナは村の方に震える腕を伸ばす、その村では今、お祭りの準備が始まっているのだろう、、その音がかすかに聞こえるその場所で・・・・。

ジェナ
「こ、、れ、、、、遺跡、、で見つけた、、、宝物・・・・あの、こに、、みせて、、、ぼ、、うけんの、、はな、、し、、、、、を・・・・・・」

その少女、ジェナは息も絶え絶えに、、、手にしていた、小さなコインを冒険者の男に見せながら言う・・・・。

そのコインのようなものには宝石が散りばめられており、見た目にもかなり高価であることがわかる、が、もっとも異質なのは、誰が見ても解るほどの、、普通ではない何か特別な力を感じることだ。

ジェナ
「約、束・・・・あの子の、ところに、あたしの、本当の、宝物・・・・アリ・・・サ」

最期にそういって、息絶え・・・・その冒険者に看取られ、その木の根元に埋められたことを、アリサは、まだ、知らない。

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その冒険者の男は少女の亡骸を木の根元に埋めると、自らの手を開く、、そこにはあの少女がもっていた特別な力を感じるコインがあった。

少しの間そのコイン見つめたあと、それを強く握り締める。

勿論、、その冒険者はそれを盗むようなことなど、考えもしていなかった。

少女の最後の言葉と、死んだ場所と、そしてこの形見になってしまったコインを渡すために
少女が最後に呟いた、アリサという娘を探すために、本来なら素通りするはずだった村に歩みを進めた。

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お祭りの日が近づいても一向に訪れない、ジェナを待つアリサ。

シルフィ
「きっと、くるよ・・・・もうすこしまとう?」

あの日から、たまに訪れるようになった少女、シルフィはそんなアリサをみては、そういって勇気付けてくれる。

だけど・・・・・・。

アリサ
「どうして、、約束したじゃない・・・・うそつき!」

そう叫んでジェナがくれた大きめのメダルを川に投げ捨てようとした、、でも、捨てられなかった・・・・。

次の日も、その次の日も、ジェナが来るのを、アリサはまった・・・・ずっと、ずっと、寝る間も惜しんで待ち続けた・・・・。

やがて、、お祭りの日になった、そのお祭りで賑わう人々の中に、独りの冒険者がいた、体格の良い、いかにも冒険者といった感じの男だ。

この男は、祭りの準備の手伝いをしたのだろうか、村人とも顔見知りになっているようだ。

人懐っこい笑顔で村人達と話している、、だけれど、どこか悲しい影のある・・・・そんな男だった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

シルフィがいつものようにアリサの家を出て、自分の家に帰る途中、、、、一人の冒険者の男と出会う、、最近この村に来たらしく誰かを探している、と、いう話を聞いた、、アリサという名前の人を探しているのだと・・・・・・・。

シルフィは、その男に話しかける・・・・。
話しかけられるまで、まってみようとも思ってはいたけれど、折角会えたのだ、聞いてみようと想う、どうして、、おねーちゃんを探しているのかを・・・・。
でも、、なんだか・・・・あんまりよくない、そんな気がする。

それでも、シルフィは男に声をかけた。

シルフィ
「・・・・ねぇ、おじさん、誰か探してるの?」

グレン
「え?ああ、そうなんだ、、アリサっていう子なんだけど・・・・村の人に聞いても、誰も知らないみたいで・・・・そういえば、君にはまだ聞いてなかったね、もし何か知ってたら、教えてくれないかな?」

シルフィ
「・・・・どうして探してるの?」

もし、この男の人がおねーちゃんに悪いことをしようとして探しているのなら、たとえ殺されてもしゃべらない覚悟で、、シルフィは聞いてみる、、だけど、、感じる悪い予感、、、は、、そんなことは、多分、違う・・・・。

グレン
「うん、、アリサって人の大切な人だったと想う、その人の持ち物を届けたくてね・・・・」

シルフィ
「・・・・・・・その人って、、どんな人だった?」

冒険者の男は、自分が最期を看取ることになった、少女の容姿をはなす。

シルフィ
「ジェナおねーちゃん!?」

グレン
「!君、知り合いかい!それならアリサっていう娘のことも?」

シルフィ
「うん、、」

そういって、、ジェナおねーちゃんはどこにいるの?、、と、聞こうとした時に、ドキんと、、胸がなった、、、、聞きたくない、、、とても、とても、悪い予感がする、、違う、、これは、、そうじゃないかなって、、考え始めていたこと、、、、だって、、ジェナおねーちゃんなら、”生きているなら”きっと、、這ってでも合いに来るはずだから・・・・。

、、、、、、この人の言うことは真実だ、、この人は嘘は言わない、、始めてあったけれど解る、この人は、、信じられる人だって・・・・。だからこそ、、聞くのが怖い・・・・。

ジェナおねーちゃんは、、、自分で、、アリサおねーちゃんに会いに来れない、、、それが、、、どういうことなのか・・・・。

シルフィ
「・・・・・・・・」

グレン
「・・・・・・・・」

少しの沈黙のあと、意を決したように、、シルフィは言う。

シルフィ
「ねぇ、おじさん、ジェナおねーちゃんは・・・・」

グレン
「・・・・・・・・・彼女は・・・・」

言いかけた言葉を遮るようにシルフィは言う。

シルフィ
「ううん!やっぱり、今は、、いい、、、おねーちゃんと、、一緒に・・・・」

グレン
「・・・・わかった」

シルフィ
「ごめんね、おじさん、、付いて来て、アリサおねーちゃんの所に案内するから」

その男も、、察したのだろう・・・・真剣な顔でうなずくと、シルフィの後に続いた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ジェナのことを、、男は話す・・・・。

それを聞いたアリサは、泣き崩れて、、そして叫ぶようにいう。

アリサ
「こんなの、、こんなのなんかいらない!!!わたしは、わたしは、、ただジェナが無事に帰ってくれば、、どうして、、あのときに、いかないでっ、、って、言えば、、、そうすれば!!!、わたし、わたしっ!!!」

アリサはジェナの形見であるコインを投げつけると、、そう、、叫んだ。

アリサ
「うそつき・・・・・うそつきっ・・・・!!うそ、、っ、、つ、き、、かえってくるって、、言っ、言ったのに・・・・・」

泣き崩れるアリサの肩を両手で優しく掴み、無言でだが、とても悲しそうに見つめる。

この男も、、よくわかるのだ、、大切な、、大切な人を失う気持ちが、、、痛いほどに、、だからこそ、見ず知らずの少女の言葉と持ち物を届けにきたのだ、、、自分が代わりに、、そう、想うほどに、自分の命と引き換えにしても良いほどの、大切な人を失った者の気持ちが・・・・・。

そんな二人を側でみつめていたシルフィは想った。

シルフィ
(真実は、、残酷、、教えなければ、知らなければよかったのかも、、連れて来なければ、、よかったのかも、、そうすれば、そうすれば、、ジェナおねーちゃんはどこかで生きていて、約束をやぶっちゃったけど、、ちゃんと、どこかで、、生きていて、、、、それで、わたしが変わりに、、、)

シルフィ
(ううん・・・・・。そんなのは、、違う、、やっぱり、、本当のことを知らせるべきだ、、やさしい嘘、、は、、現実より、、もっと、残酷だ、、、いつか、、帰ってくると信じて、、ずっと、、ずっと、ずっと、まっていたアリサおねーちゃんを、、わたしも、ずっと、見ていたじゃない、、だから、、これでよかったんだ・・・・)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ジェナのことを教えてくれた男は、明日ジェナを埋めた場所に連れて行くと言うと、宿に帰っていった。

ジェナが埋められたところに案内してもらい、そこに花を添える。

冒険者の男はまた、旅に出るから村を近々離れると話す。

シルフィ
「ありがとう、おじさん」

アリサ
「・・・・・・・ジェナのこと、、教えてくれて、、ありがとう」

グレン
「いや、いいんだ、、その、、ん・・・・・・」

冒険者の男は元気づけられる言葉を言おうとするが、、実際そんなものは気休めくらいにしかならないことを、、知ってたので、言いかけて飲み込んだ。

グレン
「ちゃんと探せて、よかったよ、ジェナって子は、本当に君に会いたがっていたからね」

アリサ
「・・・・・・ばか・・・・・・・約束破りの、、ばか・・・・・・」

シルフィ
「アリサおねーちゃん・・・・」

グレン
「・・・・・・・・」

アリサ
「ごめんなさい、、わかってるの、、わかってる、、わたしと、、同じくらい、、それ以上に、、ジェナは、、約束を護ろうとしてくれてたんだって・・・・」

グレン
「うん、、」

シルフィ
「・・・・・・・・」

3人とも、暫く無言でいた。

やがて冒険者の男が沈黙を破るように言う。

グレン
「それじゃあ、俺は行くよ、、」

シルフィ
「おじさん、、名前はなんていうの?」

グレン
「え?ああ、そういえば、、グレンって、いうんだ」

シルフィ
「グレンさん、か・・・・もう、この村には来ないの?」

グレン
「ああ、、そうだね、元々、、寄るつもりではなかったから、でも、いいところだね」

アリサ
「・・・・・・これから、どこにいくつもり?」

グレン
「とくに、決めて無いんだ、、ただ、当てもなく、いろいろなところに旅、をしているんだ」

シルフィ
「目的とか、ないの?」

グレン
「目的、、、目的、、か、、うん、この子に色々見せてあげたくて、、かな」

グレンはそういうと、懐から小さな壷を取り出す。

アリサ
「・・・・・・それって」

シルフィ
「・・・・・・?」

グレン
「むすめ、、の、、ね、、骨、なんだ、、」

アリサ
「・・・・・・・・」

シルフィ
「そう、なんだ」

アリサ
「ここは静かでいいところだから、、お祭りのときはうるさいけど・・・・」

シルフィ
「うん、よかったら、また来るといいよ、半年に一回お祭りしてるから」

グレン
「え?ああ、そうだね、うん、、また、よることにするよ」

突然シルフィはグレンにとあることを聞いてみる。

シルフィ
「ねぇ、、グレンおじさん、アルテリアスって、、どこだか知ってる?」

アリサ
「?シルフィ、、どうかしたの?アルテリアスって・・・・?」

グレン
「・・・・・・・・・知ってる、、、けど、、いまは無いよ、、その国は、滅びた、、からね」

シルフィ
「そう、、ありがと・・・・。おねーちゃんも気にしないで、まえの村長のおじーちゃんに聞いたことがあって、だから、、旅してるグレンさんなら知ってるかなって、おもったから聞いてみただけ」

それから3日後に、、グレンは行く当ての無い旅に出た。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

グレンは度々(たびたび)、この村に顔をだすようになり、旅の話をする・・・・。
だけど、その眼は何処か寂しげで、何処かを見ているようで見ていない、そんな目をしていた。

・・・・・・初めて会ったときと同じように、そんなグレンに唐突にシルフィは話を始める。

シルフィ
「前の村長さん、、おじいちゃんから聞いたことがあるんだ、滅びた国の話を・・・・」

シルフィ
「その国の騎士団長は、最期の戦争に負けたけど生き残った、なのに忠誠をちかった王様や仲間たちを護らないで逃げ出したんだって・・・・。最後の一人になっても戦うべきだった、なのに逃げたんだって・・・・」

シルフィ
「その話を、、その滅びた国から来たって魔導師の人とあって、、話をしたんだって」

シルフィ
「だけど、その魔導師の人は言ったの・・・・たしかに国は滅び、、残された人たちは悲惨な末路をたどった者も多い、だけど・・・・・・」

シルフィ
「だけどね、、その魔導師はいったの・・・・・・」

シルフィ
「アルテリアス聖騎士団 団長 グレン・アルトナム・アルテリアス・バルダムはそんな奴じゃないって、彼言ってたって、、その瞳に嘘はなかったって!!あなたは、あなたはいつまで逃げるの!?」

シルフィ
「その魔導師さんね、片方の眼が抉り取られてなかったって、片腕も片足も、切り落とされてなかったって、、、村長のおじーちゃんはそれ以上は、いわなかったけど、きっと捕まって、拷問されてそうなったんだよ・・・・。それでも信じてるんだよ!仲間をあなたを!!なのにあなたはっ!ずっと逃げてた!!」

シルフィ
「護ると決めた人のために戦って死ぬのもいいと思う、けど、わたしは、、、そうは想わなかった、生きてその人たちの思いを紡ぐことも大事なんじゃないかって、想ったんだ、、だけど、いまのグレンさんは違うよねっ?」

シルフィ
「グレンさんのその子供だって、、きっとそう想ってる!!いつまでその子を理由に逃げ続けるの!?だからまるで死んだように生きてる!!!だけど、、だけど・・・・」

アリサ
「シルフィつ!!!もうやめてよっ!!わからないのよ!!あなたには大切な人を失った人の気持ちが!!!」

シルフィ
「っ・・・・おねーちゃんっ!!いまの、、、、今の言葉、、本気で言った・・・・?もし、、もしそうならわたしも本気で怒るよっ!!」

シルフィ
「わたしがっ、、わたしがどんな気持ちで今までいたかわかる!?、、グレンさんと出会わないで、、ジェナおねーちゃんがどこかで生きてるんだって、、そんな嘘ついて、、わたしが代わりになれればって、、、想って、、、でも、、でもね、、そんなの違うことに気がついたの、だけど、それでもずっとずっと、悩んだんだよ!!おねーちゃんこそわたしの気持ち気づいてた!?きづいてないよねっ!ずっと過去ばかり!!グレンさんもだよ!!」

シルフィ
「・・・・・・気持ちは、、勿論わかる、ううん、、わかっているつもり、、、っだけどね、、過去のせいにして、、ジェナおねーちゃんのせいにして、自分のせいにして、大切な人のせいにして、、そうやって生きているの、、その大切な人たちがみたいっておもうの!?」

シルフィ
「想うわけっ、想うわけ無いじゃないっ!!いいかげんにしてよ!!!二人とも、わたしよりずっと色々な事知ってて大人なのに!!馬鹿みたい!!ジェナおねーちゃんがみてもグレンさんの子供がみても、きっとわたしと同じこというわ!!絶対に!!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それから暫くたった日の夜、シルフィはアリサの家にもう何度目かわからないが、泊まりにやってきていた。

アリサ
「シルフィは、、わたしの友達・・・・?」

ジェナとあった日からたまに、そして、ジェナが死んだと教えられたその日から、頻繁に訪れるようになったシルフィに、アリサは恐る恐る聞いてみる・・・・・・。
少しの沈黙の後に、少女・・・・シルフィは言う。

シルフィ
「・・・・わたし、おねーちゃんの友達にはならないよ」

アリサ
「・・・えっ・・・」

アリサ
「そ、、そう・・・」

その声は、明らかに震えていた・・・・今にも泣きだしそうな程に・・・・。

シルフィ
「だっておねーちゃん、わたしはおねーちゃんの妹になりたいんだもん!」

アリサ
「え・・・・?」

シルフィ
「だから、友達じゃなくて、妹!わたしずっとおねーちゃん欲しかったの!」

アリサ
「い、いいの、、わたしが、おねえちゃんで・・・・?」

シルフィ
「うん!」

アリサ
「・・・・・・・・ありがとう」

シルフィ
「おねーちゃんこそ、私が妹でも大丈夫?、、わたし、結構きついこと言ちゃったりするよ・・・・?」

アリサ
「勿論よ」

シルフィ
「やったね!じゃ、これから私達は姉妹だよ!・・・・ジェナおねーちゃんのことは、、悲しいけれど・・・・わたしがいるんだから、一人で泣いてちゃ、だめ、、だよ」

アリサ
「え・・・・うん・・・・そうよね、おねーちゃんなんだから、しっかり、しないとね!」

シルフィ
「そうだよ!・・・・でも悲しいときは、言ってね、、わたしがぎゅ〜ってしてあげるから」

アリサ
「なんだかそれじゃあ、どっちがおねえさんなのか、わからないじゃない!」

シルフィ
「えへへ、そうだね」

アリサ
「・・・・シルフィ」

シルフィ
「なに?おねえちゃん」

アリサ
「ありがと・・・・」

シルフィ
「・・・・うん」

アリサと姉妹のようになったシルフィ・・・・アリサに綿雲の創り方、そして、魔法の基礎などを教えてもらい、、いつの間にか、宮廷魔術師をはるかに上回る魔力を持つ、魔導師となる・・・・。

姉は魔女と呼ばれてはいるが、実際のところ魔法の腕は大したことは無い・・・・弟子であり妹であるシルフィはアリサの魔法の技術をあっという間に追い越してしまった・・・・。

そのことを、アリサは「さすが私の妹ねっ!」と、喜んでくれた・・・・。

宮廷魔術師を上回るということで呼ばれた、ある魔術学校の生徒達にシルフィは話す。

シルフィ
「魔法の技術や能力でなら、たしかに私のほうが姉より上、でもね、それだけじゃ駄目なの、姉の魔法は誰かを幸せに出来る魔法、それこそが本当の魔法、小手先の技術がどれほど高くなっても、わたしはアリサおねえちゃんには敵わない。忘れないでね、技術や能力ばかりにとらわれては駄目、心を優しく、強く持ちなさい」

その日、魔術学校の生徒たちに魔法の話を聞かせた後、綿雲を創りそれを食べさせた・・・・。
生徒達はとても喜んだ、甘くて美味しい、、そして優しい味・・・・。

シルフィ
「そんな、感じかな、笑顔になる素敵な魔法、わたしも修行中だから、まだまだなんだけれどね」

綿雲を美味しそうに食べる生徒の顔を見ながら、モンスターや怪物を倒したり、死んだ者を生き返らせたり、、そんな、、攻撃的な魔法や途方も無い魔法よりも、もっと単純に人を幸せに出来る魔法があること・・・・。

生徒達もそれに気が付いてくれたら良いなと想っていた。

シルフィ
「ふぅ、、」

かるく息を吐くと・・・・宿に帰ったシルフィは、姉であるアリサと同じように、踊るように綿雲をつくり、それを一口食べて呟く。

シルフィ
「だって、ほら、ふふ、やっぱりおねえちゃんが創ってくれた綿雲の方が美味しいもの・・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

旅に出たグレンだが、旅が終わると村にたちより、ジェナの墓参りをしたりし、そして自らの無事を彼女達の言葉で教えられる。

アリサ
「あら、まだ生きていたのね?」

シルフィ
「もぉ、アリサおねーちゃんってば、、そんな言い方して・・・。グレンさん今度はどんなところにいってきたの?」

アリサ
「冗談よ、、それより、わたしも聞きたいな、あなたの冒険話」

旅にでて、帰ってくると、彼女達に冒険、、というか、色々なところにいき、そこの景色などのことを話してきかせる、アリサもシルフィも、楽しみにしてくれているようである。

そんなことをしているうちに結局はこの村の外れに住むことにする・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そうして、二人の間に双子の女の子が生まれた。 グレンとアリサの子供、双子の姉妹はジェナとナルリアと名前をつけた、二人の大切な二人の名前、、だけど、名前だけでなく、見かけもそっくりだった、、片方はジェナに、、もう片方は、グレンの病気で死んでしまった娘、ナルリアに・・・・。

グレン
「まだ、赤ん坊だけれど、似てる、、あの娘に・・・・」

アリサ
「ジェナに、、、似てる・・・・あれかしらね、私達の想いの力、かしら?」

グレン
「かもしれないね、ふふ、もしくは、彼女達の・・・・」

アリサ
「じゃあみんなの、想いね」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そんな二人を、そっと見守る者がいた・・・・。

ジェナが遺跡で見つけたコインと同じものを持っている・・・・。

その男は、すまなそうに呟く・・・・。

セティル
「ごめん、これが、限界なんだ、もう、時間軸をもどして、物語を変える力もない・・・だから、これがこの世界の守護者である、俺が出来る、最後のことなんだ・・・・。でも、君たちなら・・・・」

そういって、少し笑った後、霧が消えるようにその男の姿は散った・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この二人の姉妹、ジェナに似たほうは、伝説的な冒険者となり冒険者を引退した後、自分の冒険を元に、子供達だけでなく大人ですらワクワクするような物語を書くことになる。

そして、グレンの娘に似ている少女は、癒しの魔法では並ぶ者が無い、といわれるほどの魔導師となり、人々を癒すために、姉妹で各地を巡り、アルテリアスの天使といわれるようになる。

シルフィ、ジェナ、ナルリアの3人はやがて、一緒に旅をすることになり、そこで、世界を喰らうと言われている龍を倒し、世界を救うことになる・・・・。

実際は、、龍を倒したわけではない・・・・その龍はたしかに世界を喰らうほど強大な力を持った龍・・・・だけど、、世界を襲うのは、、数百年に一度・・・・そう、、腹が減ったときだけである。

龍との戦いを終え、そして、龍が数百年に一度しか人前に姿をあらわさない理由を知り、シルフィは言った。

シルフィ
「これじゃ、だめ・・・・おねーちゃんとは違う、わたしが目指してたのと違う・・・・力で解決してはだめ・・・」

ジェナ
「たしかに、そうだけど、、でも、、人を食べなければ、生きていけないんだろ?どうするんだよ・・・・」

ナルリア
「そう、ですよね、、私達に物を食べるなっていうのと、、同じです・・・・でも、どうにか出来るなら・・・・」

ガーランド
「・・・・ふん、わしが喰らうのは魔力だ、血肉ごと貪ってはいるが、必要なのは魔力だ、わしが満足できる魔力を与えてくれるというなら、問題はないが・・・・そこの雌、お前ならわしが数百年とはいわんが、数十年以上は満足できるほどの魔力を与えてくれそうだ」

ジェナ
「なっ!シルフィねーちゃんを食べる気か!こいつ!」

ナルリア
「た、たべてはいけません!」

ガーランド
「なにも本当に食うわけではない、魔力を食わせろといっているのだ、数十年食わんでも良いくらいの魔力をな・・・・」

シルフィ
「・・・・・・・ですが、それだと数十年後、あなたはまた・・・・」

ガーランド
「・・・・そうだな、、だが、お前ほどの魔力を持った者は、そうは現れまい・・・・ふん、、わしの血を飲むか?そうすれば、わしと同じだけの年月を生きられるぞ?ふふ、龍姫(りゅうき)、、となることになるがな」

ジェナ
「りゅ、う・・き?」

ナルリア
「聞いたことがあります、龍の姫、、つまりは、龍に見初められて永遠を一緒に生きる者のことです・・・・」

シルフィ
「・・・・・・・・」

ガーランド
「迷うか?」

ジェナ
「それで、、人を襲わなくなるのなら・・・・って、、でも、それだと・・・・」

ナルリア
「そう、ですね。。。シルフィおねーさんは、、ずっと、生き続けなければいけなく・・・」

シルフィは迷った末に、、龍の近くに行き、、戦いで傷ついた傷口から流れ出る血を・・・・。


シルフィ
「ごめんね・・・・あなたたちと、、一緒に行けなくなっちゃった・・・・」

ジェナ
「へっ!?なんで、別に良いじゃん!ただ、長く生きることになるだけだし!!」

ナルリア
「・・・・なんとなく、、気持ちはわかります、、悲しいですけど・・・・」

シルフィ
「・・・・ごめんね」

ジェナ
「えっ!あたしは分けわかんないぞ!別に良いじゃん!!」

ナルリア
「・・・・周りの人たちが、どう想うか・・・です、ずっと、年をとらずそこにいたら・・・・」

ジェナ
「え、、でもそれだと、、あたしたちのかあさんだって!」

シルフィ
「たしかに、そう、でもね、わたしはずっとこの龍が受けていた悲しみを、癒してあげたいの・・・・」

ジェナ
「そ、そんなのたまに会いにくるとかすればいいじゃん!って、あたしたちが会いにくればいいだけか!」

ナルリア
「・・・・・・・無理、、でしょう、シルフィおねえさん、、、多分、ココを閉じるつもりでしょう?」

シルフィ
「ふふ、そう、よくわかったわね」

ジェナ
「な、、なななんで!!なんでよ!?わけわんないし!どうしてそこまで徹底するかな!?」

ナルリア
「・・・・りゅう、、さん、一つお聞きしたいのですけど、ここに私達のように訪れた人は、どのくらいいます?」

ガーランド
「・・・・・ガーランドだ」

ナルリア
「・・・・え?」

ガーランド
「わしの名だ・・・・名乗ることもないとおもっていたがな・・・・呼び合うには役に立つだろう」

ガーランド
「数え切れん、時には、討伐隊などと、国がらみで人間がやってくることもあるからな」

ジェナ
「・・・・・・」

ナルリア
「・・・・・・・そういうことです、ここを閉じたら二度と空かなくなるくらいの魔法で、閉じるつもりです・・・・誰にも解けないくらい、強い呪文で・・・・」

シルフィ
「・・・・手伝ってくれる?ここを、閉じるの・・・・」

ナルリア
「・・・・・・・・はい」

ジェナ
「あたしは、、、、、いまだに、、、、納得できないんだけど・・・・ねえちゃん一度決めたらもう、止められないもんなぁ、、わかった、、ねえちゃんとは、、これで・・・・これで、グス・・・・」

泣いてしまったジェナを抱きしめながら言う。

シルフィ
「ごめん、ごめんね、、、わたしに出来ることはなんなのかって、、ずっと想ってたの、、特別に高い魔力、、王宮でもありえないって、言われた、、、異端視されなかったのが、不思議だったくらい・・・・。だから、わたしはすべての人のために、ガーランドにお食事をあげるの、ガーランドも、、人を襲いたくて襲ってるわけじゃないって、わかった、だから、、なおさら・・・・」



シルフィとナルリアが洞窟の入口で魔力を込める、、シルフィは内側から、、、ナルリアは外側から、、、魔力を練りながら、、ナルリアとシルフィが言葉を交わす。

シルフィ
「ナルリアも、ごめんね」

ナルリア
「同じ立場だったら、、わたしも同じことすると想いますから・・・・」

もうすぐ、、洞窟の入口は封印される・・・・。

シルフィ
「・・・・・・・ばいばい!あなた達も一生懸命生きてっ!楽しみなさい!・・・・・・これがお姉さんとしての私からの最後の約束よ!」

その言葉に、ジェナは泣きながら答える・・・・ナルリアも、、、堪え切れなくなったのか、魔法を紡ぎながら涙を流し何度もうなずいた・・・・。

鍵は、、かかった、、、封印という名の扉の鍵、、恐らく、この扉を開けられるものは現れないだろう・・・・。魔法使いの弟子でありそして妹でもある、特別な魔力の持ち主と、その師匠であり姉である魔法使いの娘が紡いだ扉の魔法なのだから・・・・。

鍵を掛け終ったシルフィに、ガーランドと名乗った龍はいう、、。

ガーランド
「・・・・あの二人にも血を与えて、ここに住めば良い、、と、いう問題でもないからな・・・・」

シルフィ
「ええ、そうよ・・・そういう問題じゃないの・・・・」

振り返り答えるシルフィ、その瞳からは、涙が流れていた。

ガーランド
「・・・・すまんな」

シルフィ
「べつに、あなたに頼まれたからじゃないから、わたしがそうしたいって、、だから、気にしないで・・・・わたしの役目を見つけただけ」

ガーランド
「・・・・・・・退屈になるぞ」

シルフィ
「大丈夫よ、多分」

ガーランド
「わしはな、長い間、、もう数千年も数万年もこうして生きている・・・・だが、人間は飽きやすいものなのだろう?だから命に限りがある・・・・。動物はまた命をはぐくむために・・・・わしとは違う、まぁ、退屈になったら、いつでも言え、ここから出すことくらい出来るからな・・・・その小さな体、、くらいならば、、な・・・・」

シルフィ
「・・・・・・・じゃあ、我慢比べする?わたしがここからだしてー、あきちゃったー!だしてよー!って、なるか、それとも、あなたが私に飽きてこの扉の封印を解かせた後、本当に食べてしまうか・・・・」

ガーランド
「・・・・ふん、それはないな、こうみえても争いごとは好かん・・・・人間を食わんで済めばそれでいい、、、」

シルフィ
「じゃあ、わたしも同じよ、あの子達とあの子達の住む世界、そして、、、あなたが幸せならそれでいい・・・・」

ガーランド
「・・・・変わっているのは、魔力の方だけではないようだな・・・・」

シルフィ
「なによ、それ・・・・そういえば気になったのだけれど、ガーランドって名前、誰かにつけてもらったの?」

ガーランド
「龍でもよかったのだがな、名がないと呼びずらそうだったからな、想いつきでわしがつけた」

シルフィ
「ふ〜ん・・・・じゃあ、ガーちゃんね」

ガーランド
「・・・・・・・・」

シルフィ
「クス、やっぱりだめかしら?」

ガーランド
「好きにしろ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

魔女が済むという森・・・・・・いまでは誰も入らない、、嘗ては祭りで賑わった小さな村があった場所・・・・そこに魔女が住む森があるという・・・・・・。年老いた恐ろしい魔女が・・・・そんな噂を聞きつけて、、冒険者達が、その魔女が住むと言われている家を探している。

やがて、、冒険者達は、その魔女の家をみつけた、、小さい家、古い家・・・・・・でも、どこか、、、
暖かい雰囲気の家・・・・恐ろしい魔女の家とは思えない家・・・・。

冒険者の一人、リーダーなのだろうか?剣士風の男がその扉をあける・・・・。

家の中に入る、、シーフもなにか良いものが無いかと物色しだす、魔法使いと剣士はベットの方にいってみる、、、外では、大男が家に入れないので、ぼ〜っと、まっていた。

はたして、そのベットには・・・・しわくちゃの魔女がいた・・・・確かに、、魔女はいた・・・・。

剣士
「だれだ!恐ろしい魔女だってっ!?こんなクソみたいな噂ばら撒きやがったのは!!」

剣士の男が怒鳴るように言う。

魔法使いも、、小さなため息をついて、眠る魔女の顔を見つめている・・・・やがてやってきたシーフも・・・・。

シーフ
「うわ〜、どーみてもさぁ、これって悪人面じゃないよねぇ、酒っ場にいる連中のほうがよっぽど悪人面だわよ」

大男
「・・・・・・・・」

大男は、ドアから覗き込んでいる。

その魔女はたしかに、童話や物語に出てくるようなしわくちゃのいかにも魔女とわかる姿だった・・・・だけど、、とても幸せそうに、、眠っているのだ・・・・。
手には、いくつかの魔法で作り出した小さな絵のようなものや、古びたメダルのようなものを持ちながら、、、永遠の眠りについていた・・・・。

剣士
「なぁ、、これって・・・・だれだかわかるか?」

シーフと魔法使いに聞く、、大男も見たそうにしているが、体が大きくてなかにはいれない、そんな大男にもみせるために、、一枚だけ魔女のもっている絵をとってみせる。

剣士
「ほら、これ、、」

金色の三つ編みの少女と、、元気のよさそうな少女、そして、おしとやかそうな少女、、真ん中にはそこに眠っている、魔女の若い頃だろうか、気の強そうな少女が優しい笑みをうかべる男に寄り添うようにしている。

大男
「これ・・・・この、三つ編み、の、こ、、龍のお姫様、、この、こ、は、沢山、本、だしてる、俺達と、同じ、冒険者、、このこ、、、は、、アルテ、リ、、アスの、、天使・・・・みんな、、俺、本で、読んだ・・・・絵、、かかれてた、、似てる・・・・」

剣士
「だろうな、、多分、俺の直感だけど、、これ、本物だと想うぜ」

魔法使い
「そうでしょうね・・・・妹と二人の娘と愛する人と、、ってかかれてあります」

シーフ
「なんだか、墓を荒らしたみたいで、嫌な気分だなぁ・・・・」

剣士
「だよな・・・・それにこの魔女の隣にいる男、、、グレンっていう、、聖騎士だ」

剣士
「・・・・俺、この人に憧れて、剣士になったんだ」

一同
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

少しの沈黙の後、剣士は元のとおりにその絵を魔女の手元にもどすと言った。

剣士
「・・・・・・・そうだな、、みんな外に出よう」

そして、松明(たいまつ)を用意して、、。

剣士
「燃やすぞ・・・・ここにあるもの全部、、」

シーフ
「えぇ!?、、まぁ、しかたないか、、売ればお金になるもの、あったけど・・・・・」

魔法使い
「そう、、ですね、だれにも荒らされないように、、そうするのが一番なのかも、、」

大男
「・・・・なんだ、か、、ぶっ、とんでる、、、、けど、、このまま、、、しておい、たら、、見世、物、、になるか、、いつか、だれかに、、、みつ、かる」

剣士
「ああ、そうさ、、だから、、燃やすのさ、全部、、、持ち主の魔女と一緒にな!!そして、ギルドのマスターに文句言ってやるぜ!!英雄の家族を悪者呼ばわりしたの訂正しろってなっ!!」

そういって剣士は松明を投げようと手を振りかざす。

そして松明を投げ込もうとした・・・・その瞬間。

目の前に、いきなり少女があらわれた。

剣士
「@;ぽおl;@@;」

いきなり目の前にあらわれた少女にびっくりして言葉になら無い声をあげる。
そんな剣士など気にも留めず、その少女はいう。

少女
「あんた・・・・人間?まぁ、当たり前ね、人間以外の方が珍しいもの、ていうかあなた、いきなり火をつけるのはどうかしら?、まっ、火をつけようとした理由はまともだけれどね・・・・」

剣士
「あ、あんた一体、どっから、、、」

少女
「テレポートよ、ワープともいうわね、ま、なんでもいいけど」

魔法使い
「えっ!そんな高等魔法、この世界で使える人なんてもうだれも・・・・」

少女
「そうねぇ、人間には無理でしょうねぇ」

シーフ
「人間って、、あんたは違うってのかい!?」

少女
「まぁね、しいて言えば、龍と人の娘ね」

大男
「・・・・・・龍、、、小さい頃、読んだ、、、、世界を救うために、龍と一緒に、生きること、した、魔法使い・・・・」

少女
「ええ、それ、わたしのママよ、でもママもテレポートの魔法はつかえないみたいだけど・・・・」

そんなことも別にどうでもいいわね、といいながら、少女は剣士が燃やそうとした家に手をかざす、するとその家は消えてなくなった。

剣士
「なにを、、したんだ?」

少女
「特別な場所に送ったのよ、想い出の、、場所へ」

剣士
「想い出の、場所?」

少女 「ええ、そうよ、その人の想い描く場所、そこに送ったの、、」

魔法使い
「そ、そんなことまで、できるの・・・・?」

少女
「・・・・ここじゃない場所よ、空の国、、かな、、死んだ者がいくところ・・・・魂はそこに送ったわ、家とか物は自然と一体にしたけど・・・・」

シーフ
「自然とって、分解でもしたのかよ」

少女
「そうね、似たようなものかな、どうせみんな最後には自然に帰るのが定めだもの・・・・わたしも、いつかそうなるはずよ、いつかはわからないけれどね」

そういうと少女は冒険者達に背を向けて歩き出す。

剣士
「お、おいどこにいくんだ?」

少女
「あんた達にいってもしかたなくない?ま、いいけど、只たんに散歩よ、散歩」

ほら、どうでもいいことでしょ?と、言いたげそうな顔を剣士に向ける。

剣士
「あ、ああ、、、それなら一緒に冒険してみないか?」

シーフ
「そこでいきなりPT勧誘かよ、ありえねー、あたしゃビックリだわよ」

大男
「・・・・・・」

魔法使い
「わたしも、、見てみたいです、、その、、あなたの魔法・・・・」

少女
「はぁ、私の魔法は見世物じゃないんだけれど?」

魔法使い
「え、、あ、ごめんなさい・・・・」

少女
「・・・・・・ま、いいわ、暇つぶしくらいにはなるかも、あなたも悪くなさそうだし」

剣士
「え?お、おう、じゃ、これからは仲間だな!」

少女
「それじゃあ、よろしくね、大男さんと剣士さん、シーフさんもね」

大男
「よろ、し、く」

シーフ
「お、おう」

喜ぶ剣士と大男、シーフだけは、なんだかなぁ〜といった感じだが、そんな3人を尻目に、、少女は魔法使いに近づいて言う。

少女
「ふふ・・・・いいの?とっちゃうかもよ?彼のこと・・・・」

魔法使い
「えっ!!?なっ!!」

少女
「ふふふふふふ、冗談よ、わたしが人間なんかに、只の暇つぶしよ、、、、、、、多分ね」

魔法使い
「!!!!!!」

悪戯っぽく言う少女に魔法使いは困惑する、、彼らの冒険はどんなものなのかそれは、わからない・・・・。

守護者が消えたあと、少しだけ続いたこの物語も、、本当にもう終りなのだから・・・・。

剣士
「おう!そうだ、あんたの名前は?」

少女
「だれかに名前を尋ねるときは、まず自分から名乗るものじゃないかしら?」

剣士
「え?あ、、おう、悪い、俺はアーサーだ。よろしくな!」

剣士が名を名乗ったあとで、少女は軽く吐息を混ぜたような微笑みをしたあと、自分の名前を言う。

少女
「・・・・ヴェアトリーチェ」


__________________________________

ここら下は蛇足的な部分です。セティルと語りべしかでてきません。
上記のヴェアトリーチェのセリフで切るほうが、物語の〆としては、良いかもしれませんが、、創造主、セティルについてのことが描かれています。

最後まで演じるかどうかは、演者さんに委ねます。
__________________________________

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

パサリっ・・・・・・

セティル
「ん〜?」

本棚から一冊の本が落ちたらしい、その落ちた本を拾い上げる、懐かしい、ずっと昔に創った本だ、本といってもちゃんとした物でなく、ぴらぴらの薄っぺらな本・・・・その本を拾い上げた男、セティルは拾い上げた本を開く・・・・。

そして、読みながら独り言を言う。

セティル
「・・・・・・ああ、もうこの本の世界には自分はいないのか、、無限の魔力の持ち主がつくったといっても、創られた者が無限の魔力をもつことはない、、悠久の時をへていずれは消える・・・・」

セティル
「この本の世界のセティル・アズナードはきちんと役目を果たし終えたのか、こういってはなんだけど、本体である俺よりもすごいかも・・・・創造主ではなく守護者として役目を終えたんだから」

そういって、セティルはその本を読み終えると、元の本棚にしまった。

実際のところ、セティルの作った本にはセティル自身の分身、というか、セティルが作り出した自分自身、もしくはセティルの周りの仲間がいて、それがその本の守護者、監視者、創造主となって、本を構築していく、本体であるセティルが創るのは物語の大まかな部分とそこにいるキャラクター達である、、後はその本の世界にいる、本物のセティルの代わりをするものが世界をつくっていく、それが消える、ということは、その物語は本当の意味での終りを告げるのである。

創造主とは、その本の世界を想うがままに創り変える、時には時間軸を動かしたりして、早い話が、本体と同じでしゃばりである。

監視者は見守るだけ、殆ど手を出さず、成り行きを見守るタイプである。

そして、守護者は必要なときに必要なだけの助力をする、あとは見守るだけである、そのあたりは監視者と似てはいる、だけれど、完全に裏に回る、その本の中では存在自体知る者がいない、創造主はでしゃばりなため、本の中の世界でもなんとなく、名前やらが伝わっていることが多い、監視者にいたっては放置プレイなので、名前が知られることは殆ど無い。

守護者もそこは同じなのだけれど、、一言で言えば、信じられている幸運そのもの、という感じだ。

存在は誰も知らないのだけれど、確かに存在していて、自然に祈りをささげるのと同じように、祈られる存在。


正しこれは、本体であるセティル・アズナードが余計な介入をしなければ、の話ではあるが。

そして、この話は龍の騎士の話へと続く・・・・。



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