王 ♂
教祖 ♂
姫 ♀
将軍&語り部 ♂
幹部 ♂
王子&兵士 不問

____とある王の話__________


姫「あの教団が!?馬鹿な!なぜ、なぜ戦争など!?・・・この世を浄化するため?何を世迷言を・・・!父上!」

王「・・・村々が襲われているのならば、助けに行かねばな・・・お前の弟はまだ赤子だ、教団は巨大、何があるかわからぬ、安全な場所に逃がさねばな」

姫「父上!私も、私も行きます!」

王「ブリュンヒルデ、お前は、城を護れ・・・。行って来るぞ」

教祖「死の聖なるかな、死こそ始まり、死こそ聖、さぁ、祈りをささげよ!死の祈りを・・・」

将軍「剣戟の音、騎兵隊の轟音、戦場歌の響き・・・。その全てが我を鼓舞する。我は戦いのみに生き!そして死ぬ!!」

幹部「そうか、そうかぁ!!!ははは!!・・・もう許しませんよ?・・・あなたは死によって、安息を与えて差し上げましょう」

王「くっ!ここは、もう駄目か・・・。だが、ここが落ちても望みはある!!皆の者諦めるな!」

兵士「王!ここは、ここはもう!引いてください!!!我らが食い止めているうちに!」

王「例え全てを失っても、護るものがある・・・。だから、我はこの道を逝く!!者共!ついて来い!」

将軍「王!・・・くっ、、皆の者!いざ、王の御許(みもと)へ!!!・・・おおぉぉぉぉぉおお!!」

兵士「私は、ここで終わるのか・・・。そうか・・・。姫、私は一足先に逝きます。・・・お達者で」

教祖「ふふ、流石は我が右腕よ・・・。国王を葬ったか・・・。次は城を落とすと伝えよ」

姫「逃げろ?・・・ふふ、それはできん、私はこの国の姫であり、父亡き今は王だ、国民を見捨てるなどできん!ブリュンヒルデ!参る!!」

幹部「この国の者は全て死んだ!ひゃはは!わが教団の勝利だ!!ん?うぐっ!!生き残りの、兵か、この私がこんな一兵卒に、それも、定めか・・・」




王子「風の音、水の流れ、草花の匂い・・・無数の命。それを全て消し去ってまで、あなたはっ!!」

教祖「お前は?そうか、あの国の生き残りか・・・。そう、私がこの教団のカリスマ!」

王子「何がカリスマだ・・・何が!!焼き払われた村々の、そして、そして!!わが父と姉の無念!思い知れ!!!」

教祖「私を、倒した所で、戦争は終わらんよ・・・。もう、サイは振られたのだ、、お前に、そ、れを止められる、かな・・・?」

王子「止めて見せるさ、血で血を止めることは出来ない、それでも、止めて見せるさ。それが、父さんと姉さんと、あの娘の願いだったから」


教祖「ふ、ふはは!!人間とは、弱い者だ、神、人、物、何かにすがるのだ・・・すがった上で、いつかは飽きるのだ・・・。いずれ、お前の創った平和も・・・」


兵士「王!!・・・っ、国民が!!国民が、王の首をよこせと・・・他国に媚びへつらうような平和などクソ食らえだと・・・。我々は、一体何のために・・・」

王「・・・そうか、ついに、平和にも飽きたのだな・・・」

語り部
「こうして、平和を創りし王は、国民によって処刑された。人は命よりも大切なものがあると言っては、戦争をし、、やがては、命よりも大切なものは無いといって、戦争を やめる。
 人は、前に進め、前進しろ、などというが、、、考えても見れば、生まれてこの方、争いをやめたことなど無かったな・・・」
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