セトウツミという此元和津也(このもと かづや)さんの漫画を声劇台本に書き起こしてみたものです。
興味があったら、買ってみてくださいませませ。

///////////登場人物//////////////////////////

瀬戸小吉(せと しょうきち)♂
高校2年生の男子。

内海想(うつみ そう)♂
高校2年生の男子、眼鏡君。

鳴山(なるやま)♂
高校3年の男子

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瀬戸;

内海:

鳴山:

/////////////本編タイトル ムカーとスッキリ//////////////////

瀬戸「鳴山ほんまムカつくわ」

内海「またなんかされたん?」

瀬戸「いや入学式のアレが、どうしても許されへんねん」

内海「いつまで言うねんそれ」

鳴山「はいお前アウトー」

瀬戸「?」

鳴山「これからはちゃんと挨拶せえ」

鳴山「俺は二年の鳴山さんや、覚えとけ」

瀬戸「顔にばってんマーク書かれてや、見てた女子には笑われて、最悪やったわ」

内海「・・・ふん!」

瀬戸「いった!!何すんねんお前!!」

内海「ムカついた?」

瀬戸「当たり前やろ!何すんねんいきなり!」

内海「そのムカつきを数値化したら、どれくらい?」

瀬戸「・・・6ぐらいやな」

内海「じゃあ、鳴山の件は?」

瀬戸「あれは140や・・・。マックスなんぼやねん、100や思うやろ普通」

瀬戸「マックス上回っとんねん。死んだらええねん、あんな奴」

内海「まあええわ。じゃあ瀬戸が今吐いた鳴山の愚痴で、どれくらいスッキリするん?」

瀬戸「20やな、140ムカついてるから7回でやっとチャラや」

内海「俺はこの愚痴7回以上聞いてるよ」

瀬戸・内海「!?」

瀬戸「な、なんや、風船の割れる音かいな・・・」

内海「・・・でもスッキリせえへんやろ?」

瀬戸「・・・・・・」

内海「なんでか教えたるわ。瀬戸は鳴山に浴びせられた140ムカーを、7回毒づくことによって、相殺しようとした」

瀬戸「一回20スッキリやからな・・・」

内海「でもしばらくして やっぱり腹立つわ、あいつ死んだらええねん と愚痴ってる最中も、更に140ムカー食らってるわけ」

内海「その件に関して鳴山にやられたんは、入学式の一回だけや」

内海「今現在は何もされてない、でも瀬戸は愚痴を吐くことによってあのムカつきを追体験してるわけや」

内海「それはやられ続けているのと同じ、いや・・・。それ以上になってくる」

内海「な?毎回140マイナス20の120ムカーが蓄積されて、今840ムカーが瀬戸の心を蝕んでんねん」

瀬戸「ほなどうしたらええねん」

内海「鳴山を許すことやな」

内海「普段の気持ちの積み重ねが過去を作るのであって、普段笑ってない場合・・・」

内海「過去も面白くなかった、ということになるんちゃうか?」

瀬戸「・・・・・・」

瀬戸「って!あのピエロ、全然成功せーへんやんバルーンアート!!」

内海「練習してんちゃう?」

瀬戸「それやったら家でやるべきやし、できるようになってからあのファッションするべきやろ!!」

内海「ありのままの姿を見てもらうってのも、大道芸人の生き様や」

瀬戸「・・・・・・」

内海「・・・・・・」

瀬戸「そもそも、あんなことして何になんの?」

内海「芸術やろ」

瀬戸「お金はこちらって、商売っけ満点やろ!」

瀬戸「・・・サラリーマンのほうがよっぽど立派や。あんなもん世の中に不必要やろ」

内海「俺達が生まれてきたんも、芸術みたいなもんちゃうか?」

瀬戸「さっきからちょいちょい挟んでくる名言なんなん?」

内海「瀬戸がずっとイライラしてるから、なんとかしようと思ってんねやろ」

瀬戸「・・・あかんわ、やっぱ腹立つ、キレたろかな頭ごなしに」

内海「やめとけって」

瀬戸「芸術の良さがわからんかったら凡人みたいな、わけわからんもん作ったらシュールみたいな!」

瀬戸「大衆に受けへんかったら逆にアートみたいな、何から何まで鼻につくわ!」

内海「喜ぶ人もいてんねん!風船でプードルとか出来たら可愛いやろ!」

瀬戸「あんな風船でできあがったもんが可愛いわけ・・・ん?」

瀬戸「・・・何やこれ」

内海「多分アメリカの戦闘機、ホーネットや」

瀬戸「戦争の愚かさを知って500ムカー減ったわ・・・。やっぱ芸術って必要やなぁ」

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