タイトル 〜恋愛小説家 〜愛の夢〜 

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恋愛小説家の最終章です。

♂ 5 女 3 の台本となっております。

夢も、愛も死なない、そんな幸せな結末を、叶えるために、作者と作者の分身であるセティルの思考を交えて書いていきました。作者が読者に、失望されるであろう赤裸々な話もあります。

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純(じゅん) ♂

高校を卒業した後に、小説家となる。
その話は情熱的で、ときに切ないハッピーエンドの話が多い。
愛と共に生計を立てながら小説を書いている。
最近やっと売り始めてきたらしく、新進気鋭の作家といわれている。

愛(まな) ♀

高校のころからの純の同級生。
湖で溺れた夢を助けた経験を持つ。
純とは幼馴染で、溺れた少女を助けたことがきっかけで、純が告白し付き合っている。

心(こころ) ♀

愛と純の同級生、教室は違う。
高校時代の愛と純のなかなか進展しない恋模様にやきもきしていた。
卒業したあと、担任だった叶に告白し付き合っている。

現在は編集者として働き、純の担当となっている。

叶(かなえ) ♂

心と純、そして、愛の高校の先生だった。
心の担任ではあったが、純と愛の担任ではない。
心とは結婚を前提に付き合っている。

優しい先生だが、ときに勘が鋭いところを見せる。

夢(ゆめ) ♀

純たちの高校よりもさらにランクの高い高校に通っている少女。
望と付き合っているが、周りからはなぜあんなのと付き合っているのか理解されていないが、望の包み込むような優しさに惹かれたという。

望(のぞむ) ♂

夢と同じ高校ではあるが、正直そこまで勉強はできない、働く根性もない。
夢と付き合っていて、このままではヒモになるぞと言われるが、本人は主夫みたいなのがいてもいいんじゃないかな?と思っている。社会適応能力はないが、とても心が優しく、夢の弱い心の部分にも気が付いていて、お互いに支え合っている。

定春(さだはる) ♂

この話の作者。
作者自身の心の内と、不安と状況を結構赤裸々に描いてあります。
うざいと思われるかもしれませんが、、同じ気持ちの人が少しでも共感を覚えればと、ビクビクしながら描きました。

セティル ♂

定春の作ったキャラクターの一人で、定春に語りかける。
もう一人の定春自身。
定春とセティルの独白は、無くても物語が進む様にはなっています。

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「今日も、寒いなぁ・・・・」

愛N
冬の日の寒い雨の日、わたしは、傘をさして悲愛湖(ひあいこ)と言われる湖の近くを歩いていた。この湖には、悲しい愛の物語があるらしい。

愛N
そのとき雨音に掻き消されそうだったけど、湖の方からばしゃばしゃという音・・・・
そして、その音に混じって、微(かす)かに声がした!


「・・・・・・!!!」

愛N
湖まで急いで走る、、湖の中、岸辺から離れたところで、誰かが溺れているのが見える。


「っ・・ん!!、、がっ!・・・・!!」


「待ってね、いま、いま助けるから!!」

愛N
わたしはなりふり構わず、傘を投げ捨てると、溺れている人を助けるため、湖に飛び込んだ。

愛N
冷たい水の、刺すような痛みが私を襲う。でも、それは溺れてる人も同じ・・・・。
わたしは、一生懸命泳いで、その手を掴む。

夢N
溺れた私の手に、暖かな何かが触れる・・・・無我夢中で、わたしはしがみついた。


「がぼっ!!、、、わぁぁあああああん!!」

愛N
溺れていたのは、まだ小さな女の子だった、その娘は暴れたまま、わたしの体にしがみ付く。


「大丈夫っ!?・・・・今むこう、っ!まで、連れて行って、、、あげるからっ、、ね!」

夢N
恐怖でしがみ付いてそれでも暴れる私を、、お姉ちゃんは岸まで連れていってくれた・・・・。

夢N
だけど、、湖から上がろうとしたときに、足を滑らせて・・・・そのまま後ろ向きに倒れて・・・。どんどん流されていく・・・・。


(わたしは、わたし、、こわい、こわいよ・・・どうしよう、どうしよう)

セティル
(さけべ!)


「ぁ・・・・ぅぁ・・・・」

定春
(さけべ!!!!)


「ぁ・・・ぁ、ぅ、あ・・・う・・・・」

セティル
(叫べ!思いっ切り叫ぶんだ!!!!)


「!!うぁ・・・・うあぁぁああああだれか!だれかーーーーー!!!」

夢N
怖くて声が出せなかったけど、、、一度叫んだら関を切ったように悲鳴のような言葉が私の口から溢れ出す。

叶N
ぼくは、雨が好きだ・・・・。しんみりとしていて、なんだが落ち着くから・・・・。
こういう日は、のんびりと散歩をすることが多い。


「だれか!!だれかぁああ!!おねーちゃんが、おねーちゃんがぁあああ!!!」


「!!!」

叶N
雨が降る日、湖の近くを通った時、小さな女の子の叫び声・・・・その声がぼくの耳に届く。ぼくは、その声がする場所まで走る。


「おねーちゃんが!おねーちゃんが!!!」


ずぶ濡れで泣いている小さな少女が指さす方向に、、溺れている人の姿が見える!


「・・・・ふっ!!」

叶N
ぼくは湖へと飛び込む。肌を刺すような冷たい痛みが襲うが、気にせず、ぼくは泳ぐ。


「っ・・・!!!げぼっ!!!」

愛N
溺れている私の体が、急に浮き上がり、聞き覚えのある声がした。


「愛さんかい!?・・・・大丈夫、しっかりつかまって!!」

愛N
その体にしがみついて、わたしは、なおも泳ごうとする、けど、足が、、痛くて・・・。
体にも力が入らない・・・・。


「無理に泳ごうとしないでいい!ぼくにしっかり掴まってくれてれば大丈夫だから!」

叶N
愛さんを支えながら、僕は岸まで泳ぐ。


「はぁ、はぁ・・・・大丈夫、かい?」


「ごほっ!!ごほ!ごほっ!!・・・・・・・は、はい、だいじょうぶ、、です・・・・」


「おねぇちゃん!おねーちゃんっ!!うあぁああああん!!」


「大丈夫、、だった・・・・?」

叶N
愛さんは自分も苦しんだろうに、助けた少女を気遣う・・・・。


「うんっ・・・・!うん!」


「よかった・・・・。叶先生、、助けて、いただいて、ありがとうございます」


「愛さんこそ、大丈夫かい?」


「はい・・・・っ!」

愛N
滑った時に、痛めたのだろう、足が痛んだ。


「二人とも、寒いだろうけれど、もう少し辛抱してね」

愛N
叶先生は、二人とも大事をとって、病院で見てもらった方が良いと言い、救急車を呼ぶ。

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セティル
「さてさて、これで物語の展開が変わるな」

定春
「・・・・」

セティル
「まぁ、普通に暮らして、普通に愛し合って、、普通に終わるんだろうが」

定春
「劇的なことは、、起こらない方が良い・・・・。普通が一番なんだ、何の変哲もない日常、それが大事なんだ」

セティル
「それには同意するが、、人間はそれに飽きるからな」

定春
「飽きない人もいる、まして、彼らは独りじゃないんだ・・・・」

定春
「・・・・人も、物語のようにゆったり生きられれば・・・・」

セティル
「それはどうだろうな、物語と一つとっても色々あるだろう、まぁ、現実のが小説より奇なりとは、よく言うがな」

定春
「物語があるから、人が行動するんじゃなくて、人が行動するから、物語ができるんだ」

セティル
「なら、お前も行動しろよ」

定春
「・・・・・・・」

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愛N
病院に着くと、私は足をねん挫していたのもあって、一日だけ病院に泊まることになった。

純N
愛の両親からの連絡で、愛が病院に運ばれたというのを聞き、俺は急いで病院へと向かう。

純N
愛の両親への挨拶もそこそこに、俺は、焦る気持ちのまま、愛の病室へと向かった。


「愛!」


「純、くん」


「なにが、あったんだ・・・?」

純N
愛は湖で起きたことを俺に話す。


「叶先生は!?」


「先生は大丈夫そうだからって、さっき帰ったみたい」


「夢ちゃんも、特に異常はないからって、さっきご両親が迎えに来て、一緒に帰っていったよ」


「夢ちゃんのご両親から、何度も頭を下げられて、恐縮しちゃった」


「・・・・愛は、なんか、怪我とか、、体とか、平気か?」


「ねん挫しちゃった足が痛いだけで、後はなんともないよ」


「そうか・・・・よかった」

愛N
純くんの心配そうな顔、ごめんねと、思うと同時に、すごく、安心した。


「ごめんね、心配、かけちゃって」


「愛が、無事なら・・・・それで、、いいんだ」


「ありがとう、純くん」


「あのな、愛、俺・・・・」


「うん」


「なんていったらいいのかわからないけど、、俺・・・・お前が病院に運ばれたって知った時、どうしようもないくらいに不安になった」


「うん」


「俺は、、愛に何かあったら、愛がいなくなったら、、どうしたらいいのかって、そればかり考えて・・・・」


「今更だけど、、俺、、俺、、愛の存在の大きさが今まで以上に大きく感じて」


「俺は、、お前の事が、、愛の事が、好きだ!・・・・何者にも代えられないくらい、大好きだ!」

愛N
純くんの告白に、わたしの瞳からは涙があふれてきた・・・・。


「っ・・・!・・・・」


「わたしも、ずっと、言いたかったことが、あるんだ・・・・」


「純くんの事が、好き、ずっと前から、大好き」


「はは、ならこれで、俺たちは恋人同士だな」


「うん!」


「なんだか、嬉しいのに恥ずかしいな」


「だって、ほら、お父さんとお母さんがみてるよ」

純N
愛の言葉に振り向くと、愛の両親と俺の両親がやってきていて・・・・。
俺が振り向くと同時に、そそくさと退散していったが、、明らかにその顔は笑っていた。

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セティル
「羨ましいか?」

定春
「・・・・・・」

セティル
「誰かに愛され、誰かに必要とされる・・・・。それが自分ならと思ってないか?」

定春
「・・・・そんなことは、、いや、代わろうとは、思ってない」

セティル
「本当か?・・・・あそこにいるのが自分なら、彼らみたいに何かしらの生きる術(すべ)があり、そして、誰かに愛され、誰かを愛して一緒に生きる・・・・。そんな風に生きられたらと考えてないか?」

定春
「愛を知らない・・・・人を本当に好きになったことがない、だから、解からない・・・。だから、そうなりたいと思っても、無理だ・・・」

定春
「自分みたいな奴は、独りで生きて、、独りで死んでいく方が良いんだ・・・・」

セティル
「そうかねぇ?、、俺にはお前が一人で生きていけるようには見えんがね。いまだってそうだろう?何かに助けられて生きている」

セティル
「話を聞いてくれる人、国、社会に生きる人々、家族だってそうだな、色々な奴に助けられて生きてるじゃないか、独りで生きていくというのは、それらを皆捨てることだ・・・・。勿論、物語を読んでくれる人もみんな、な」

定春
「自分は、自立できない、独りで生きていけない・・・。だから屑なんだ」

セティル
「どうかね、みんなそうなんじゃないのかね・・・・。誰にも支えられないとどうなるかは、もうわかっているはずだろ?・・・・俺からすれば、社会で生きている癖に、まるで自分一人で生きていると思っている奴のほうが、うぬぼれていると思うがね」

セティル
「だがまぁ、それもそいつの人生さ、いつか気が付くかもしれないし、考えも変わるかもしれないし、そのままかもしれない、それは、そいつの人生だ」

定春
「人は自分の為だけに生きられるほど、強くはできてない」

セティル
「三島由紀夫か」

定春
「・・・・・・」

セティル
「共感を覚える言葉は大事だな、ま、少なくとも、、お前が作る人物たちは、お前の願望が入っていることは、間違いないさ」

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純N
愛は家に戻ったが、大事をとって、もう一日だけ学校を休んでいた。

純N
俺は、叶先生を探す、そして、廊下を出たときに、その姿が見え、声をかける。


「叶先生!!!!愛を、、愛を助けていただいてありがとうございました!!!」

純N
廊下に響く大きな声に、最初は驚いていたが、先生は頭を下げる俺の傍にやってきて、静かに笑うと、何も言わずに俺の肩を優しくポンと叩いて、職員室に戻って行った。

純N
それを見ていた、心が話しかけてくる。


「どう?カッコいいでしょ?わたしの惚れた男だぞっ!」


「はは、本当にな。心が好きになる気持ちもわかる」


「でしょでしょ〜!えへへ・・・・それに、案外鋭かったりするんだよ、優しいだけじゃないっていうか〜」


「そうなのか、、でも、確かにそんな感じするよな」


「でしょでしょー!・・・・まっ!それよりも、愛のお見舞い!行くんでしょ!?」


「ああ、勿論行くよ」


「んじゃ、一緒にいってもいいかな?」


「え?勿論いいさ、その方が愛も喜ぶだろうし・・・・。なんで一々聞くんだよ?」


「いやぁ〜・・・・お二人の時間を邪魔しちゃうかな〜、なんて思って!」


「なんだよ、それ」

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セティル
「さて、ここから時間が飛ぶな」

定春
「・・・・・・」

セティル
「お前が望んだ幸せな結末とやらは、どうなってるかな、ま、大体見当はつくが・・・・」

セティル
「ああそうだ、お前が言う、競争の果てにあるのは闘争であり、闘争の果てにあるのは戦争だ、という意見には、賛同しておくが・・・・」

定春
「共存、していない、、世の中はこれだけ便利になっているのに、人からは余裕が失われて、いつしか、戦うだけになっていっている」

セティル
「会社や企業も、客の為とかなんかいろいろ言っているが・・・・それは、そうだな、三国時代や戦国時代に置いての、同盟のようなものだからな」

定春
「自分がつぶれるくらいなら、、裏切るんだ」

セティル
「だが、人は、争い、それによって、繁栄を得る、、、、それは、今も昔も変わらない」

定春
「お互いが高めあえるくらいの、、勝負ではいけないのだろうか?」

定春
「余裕のある人が、誰かに手を差し伸べれば・・・・誰かの言葉を聞いてくれて、助けあえれば」

セティル
「お前は、誰かに手を貸してやったことがあるか?誰かに手を差し伸べたことがあるのか?」

定春
「・・・・・・・」

セティル
「お前自体に、余裕がないんだったか・・・・。だがそれは、ただ助けてくれといっているだけで、お前の言う共存とは矛盾している」

セティル
「ただ恩を感じて、それでもいいかもしれないが、、、どうせなら、お互いに・・・・」

定春
「助け合える・・・・存在に、自分はただ弱いから、強い者に助けてもらいたいだけ・・・・なのか」

セティル
「さぁ、それだけなのか、どうなのか・・・・」

セティル
「ま、いい、それじゃ、続きを見に行こうか・・・・」

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心N
それから6年後、一人の少女が私の勤めている編集部へと訪ねてきた。


「あの、、もしよかったらなんですけど、物語を書いてみたんです、、読んでもらえないでしょうか?」


「うん、いいよ、偶々(たまたま)時間もあるし!」





「この話、いいね、、ほんわかして楽しい感じ、ハッピーエンドだし、キャラクターもなんか、個性があって面白いよ!」


「本当ですか!?ありがとうございます!」


「でも、文章も稚拙ですし、、まだまだだって自分では思います」


「あはは!技術的なことは、これからこれから、大事なのは物語を書くことなんだから」


「えっと、あ、、名前、聞き忘れてたね」


「夢です」


「夢ちゃんか・・・・よろしくね!」


「ところで、この、話に出てくる女の子が、湖で溺れたところを助けられたっていうのって・・・・」


「はい、実はそれ、、私自身の実話なんです」


「夢ちゃんって・・・・あ!!もしかして、愛が助けたっていう、あの夢ちゃん!?」


「え!愛さんをご存じなんですか!?」


「ご存じも何も、高校の時の同級生だよ!」


「あの!もう一度、ちゃんと会ってお礼がしたいと思ってるんです」


「わかってるって!愛も純も会いたがってるだろうし、、叶もね」


「純先生と叶さんの事もご存じなんですか!?」


「まぁね〜、純は同級生だし、叶は担任だったし!・・・・なにより、叶とはいまは恋人同士なんだぜぃ!」


「良いですね、教師と生徒の恋愛って、なんか、憧れます!」


「えへへー・・・・ちなみに、純と愛も恋人同士だよ〜!」


「そうなんですか!会ってみたいなぁ・・・・わたし、純先生のファンでもあるんです」


「そうなんだ、じゃあ、尚更会わせてあげたいな」


「ご迷惑じゃなければ、ぜひお願いします!」


「それじゃあ、連絡先をっと、、今度、みんなと一緒に何か食べながら話そうよ」


「はい!」

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セティル
「心の言葉は、お前の言葉だな」

定春
「・・・・・・」

セティル
「別の話にもあったな。技術にばかり囚われてはダメだ、とかいう言葉が」

定春
「技術は大事だ・・・・けど、それだけじゃないと思う」

セティル
「その通りだな、技術というのはやっているうちについていく」

定春
「でも、才能がないと、、ある程度の技術と才能がないと、全てが無意味だ」

セティル
「じゃ、この物語も無意味か?俺たちの会話も、俺たちの考えも無意味なものか?」

定春
「一銭にもならないし、、それで生きていけなければ、、きっとそれは、意味がないと言われるんだ」

セティル
「なぁ、金になることだけが全てか?確かにそれは必要だが、、、お前、金に縛られてないか?」

定春
「食うのに、生きるのに困らないだけの額でいいから、、自分で・・・・」

セティル
「なら、まずはこれを見てもらえ、お前の心を、お前の話を、お前の物語を」

定春
「迷惑に、、うざったいと思われるだけだ・・・・」

セティル
「もう少し、声を出せよな・・・・。閉じこもってばかりじゃ、なにも生まれないぜ」

定春
「こうやって、話を考えて、それで生きていけるなら、それでいい、けどたぶん無理だ」

セティル
「なぁ、、、悪い癖だ、才能がない、きっと駄目だ、何をしても失敗ばかりだ、もうだめだ・・・・。なんでやる前から諦める?」

定春
「怖いんだ・・・・怖いんだ・・・・。自分を否定されるのが、自分が本当に才能のない人間だと言われることが・・・・」

セティル
「人の言葉は、確かに重いが、、、世の中には聞くに値しない言葉というのもあるんだ・・・・。それで立ち止まってどうする?・・・・結局は最後は誰かのせいにして、自分の行動力の無さを恨み、殻に閉じこもって、、、潰れていく・・・・今みたいにな」

セティル
「技術は大事だが、、、もっと大事なのは、中身の方じゃないか?まずは、そこをみせてみろよ。稚拙でもいいじゃないか、文章が読みずらいとか、時間軸が飛び過ぎだとか、なんか暗転が多いとか、なんでもいいじゃないか、話が話になっていれば」

定春
「それでも、、世の中は技術が大事で、気持ちなんて二の次になる。でも、心も、気持ちも大事だと思うんだ!!」

セティル
「大事だよな、気持ちは・・・・。演技でもなんでもそうだ。気持ちが入っていないと、とたんに空虚になる」

定春
「・・・・だけど、気持ちだけでは、だれも救えない、自分さえも・・・・」

セティル
「自分に出来ることを、自分にできたことを、やってることを、周りに見せてみればいいだろうに」

定春
「でも、やっぱり・・・・怖いよ・・・・」

セティル
「・・・・それでも、俺は、お前に語ることをやめないぜ」

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夢N
趣味で書いていた小説を、偶々(たまたま)近くの編集部に持って行って・・・・。
こんな偶然あるんだな〜・・・・。

夢N
そんなことを学校の教室で考えていると、望と目があう。


「望、今日の課題やってきてあるんでしょうね?」


「課題?・・・・あ、、やってないや・・・・」


「もー、何してるのよ!」


「うーん、、どうも勉強とか課題とか、ぼくはダメっぽい;」


「なに言ってるの!卒業できなくなるよ!・・・・ほら、ノート見せてあげるから」


「うー・・・。ありがとう」

望N
課題だけに限らず、夢にはお世話になりっぱなしなんだけど・・・・。
ぼくたちは付き合っている、、しかも放っておけないからと夢の方から告白してきてくれた。


「ほらほら、さっさと写す写す!」


「う、うん」

望N
学校の噂では、なんでぼくなんかと、、とよく聞くけれど、それはぼく自身も感じている、夢はかわいいし、勉強もできるし、、それに比べるとぼくは、ぼくのできることしかできない。

望N
夢は、なんでもできる。ぼくとは違って・・・・。
委員長なんかもやっていて、明るくて、人気もあって、、強そうに見える。
でも、本当はとても脆い部分もある、それを支えるのがぼくの役目だから、それがぼくができることだから。


「ほらほら、少し手伝ってあげるから!」


「夢、、いつもありがとう」

夢N
望はそう言って微笑む、この笑顔はずるいと思うけど、もっとずるいのは、優しい瞳だ、、全部見透かされて、私の弱い部分も全部包んでくれるような、、そんな瞳。
わたしだって、馬鹿じゃない、、嘘をついている瞳なら、嘘をついている言葉なら、すぐに見破れる・・・・彼は、、、自分一人では生きていけない、だからこそ、その優しさは真実で、、望のそんな弱さと、優しさにわたしは惹かれた。


「ん、、もう、ほら、早く終わらせちゃいましょ!」


「うん」


「そうだ、夢」


「なによ?」


「夢の本、どうだった?本の編集の人にみせにいったんでしょ?」


「ええ・・・・面白いって言ってもらえたけど、自分では、全然まだまだだなって・・・」


「夢がどう思おうと、だれがなんと言おうと、ぼくは夢と、夢の物語、好きだよ」


「あのね、そういう歯の浮くようなセリフ、よく言えるわね・・・・もう」


「それで、そのあとはどうだった?夢が気に入っている純って人も、おなじところで本の編集してもらってるんでしょ?」


「・・・会うことになりそう、なのよ、、純先生にも・・・・」


「へー!よかったじゃん」


「そう、だけど、、緊張、するわ」


「あのさ、、ぼくもいってもいいかな?」


「え!?」


「だって、ぼくも会ってみたい、、夢が好きな人なんだし」


「好きとかとは、少し違うけれど、、もう、、一緒に行ってもいいかどうか、聞いてみるわよ」

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セティル
「あの望ってやつは、、理想のお前にどこか似ているな」

定春
「・・・・」

セティル
「お前は、自分の中に何人かの人格というか、性格があると言っていたな。
白と、黒と、灰色と、、もう一つ・・・・」

定春
「ああ」

セティル
「白い奴に、少し似てるな・・・・。あれがお前の理想の生き方なのか?」

定春
「本当の理想は、純の方だ、というか、、物語に出てくる人物はみんな・・・・」

セティル
「なんだ、やっぱり願望じゃないか」

定春
「そうだ、な」

セティル
「支えてくれる奴と一緒になって、、自分ができることをする。。まぁ、それが理想の生き方だよな」

定春
「・・・・社会に馴染めないのは一緒だから」

セティル
「普通に働くことだけが、社会に生きるというわけでもないと思うが、、まぁ、それができないと色々苦しいよな」

定春
「できないわけじゃないと思うんだ、、死ぬほどやりたくないだけなんだと思う・・・・。だから長くても数年しか持たなかった・・・・」

セティル
「人はそうやって、やりたくないことをやっていって、気が付けば心を病み、気が付けば冷たくなっていく、か・・・・。傷ついた獣は、自分の傷しか見えなくなる」

定春
「自分の傷の痛みは知っているから、、だから、人にも優しくしたい・・・・。結局、自分が人に優しくするのは、人に甘くするのは、自分にも優しくしたいからなだけなんだ」

セティル
「それが、そんなに悪いことか?」

定春
「え?」

セティル
「そんなに、悪いことか?」

定春
「・・・・わからない」

セティル
「そうだな、解からないからこそもがくんだよな」

定春
「もがいているのかな・・・・ただ、怠けているだけなんじゃないかって・・・・」

セティル
「俺には、、ある程度は、もがいたように見えるけれどな」

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「お待たせしました!」


「ほら!望もはやくはやく!」


「う、うん!」

愛N
みんなと待ち合わせた場所、そこで待っていると、一人の少女が男の子と一緒に駆けてくる。それが、夢ちゃんなのはすぐに分かった。


「夢ちゃん?久しぶりだね、、おっきくなったね」


「お二人とも、あの時は、、本当にありがとうございました!!」


「ふふ、元気そうで安心したよ」


「わたしも、夢ちゃんが元気そうで安心した」


「あの、ぼくからも、お礼を言わせてください、本当に、夢を助けていただいて、ありがとうございました」


「君が、望くん?」


「はい、そうです、急に参加したいなんていって、ご迷惑をおかけしました」


「迷惑なんかじゃないよ!夢ちゃんの彼氏なんだって?」


「はい、夢は、ぼくにはもったいないと思うけど、、大切な、大切な人です」


「もう、そんなあなたに告白したのはだれ?・・・・望って、時々自信なさそうなこというよね」


「へへへ、ありがとう、夢」


「ははは、仲良きことは美しきかな、だな・・・・」


「あ、あの、純先生ですか?」


「ああ、俺が純だ」


「先生のファン、なんです!」


「心から聞いてるよ、君の本も読んだ。どことなく親近感が沸く、そんな本だった」


「読んでいただいて、ありがとうございます!わたしも、先生の事、、なんだか、先生の本を読んでいると、他人とは思えなくて、失礼な話ですけど、、どこか、似てるなって・・・・」


「そうだね、もしかしたら、俺たちは似てるのかも、、、同じ作家だってこともあるし」


「そ、そんな、わたしはまだ作家になれてません!」


「自分の思い描(えが)いた事を形にして、それを人に伝える、、それでもう、その人は作家なんだよ」


「そ、そんな、、でも、ありがとうございます」


「じぃぃいいいい」


「な、なによ!望!」


「あ、もしかして嫉妬だな〜!」


「少し!・・・・なんて、嘘ですよ、嬉しそうな夢を見てると、ぼくも嬉しいから」


「ふふ、良い彼氏さんだね」

叶N
みんな、自己紹介がすんで、とりあえず何かを食べようということになる。
そこでぼくたちは、心のおすすめのお店、アプリコット・ティアリティへと向かった。


「ちょっと、込んでるね・・・・3人ずつならすぐ入れるみたいなんだけど・・・」


「じゃあ、男女で別れようか」


「男同士の話って、奴か」


「それ、面白そうですね!夢も、愛さんと心さんと話してきなよ、積る話とかあるんでしょ?」


「うん」


「ふふ、じゃあこっちは、女同士の話、だね」


「よしっと!じゃ、きまりだね!」





「ぼくは、夢がいないと、生きていけません・・・ぼくは社会に馴染めないと思うんです、社会で生きることに関しては、ぼくはダメだと思うんです・・・・だから、主夫になろうとおもって!」


「そこまではっきり言われると、逆に驚くな」


「なので、目下、料理や家事の練習中です!」


「だが、男が生計を、、まぁ、おれも作家なんて職業で、、言ってみれば博打みたいなものだしなぁ」


「博打かどうかはわからないけれど、安定した人生って、意外と難しいから、なんでも挑戦してみるといいよ」


「そうですよね、、でも、ぼくには夢がいます、夢は、挑戦とか何かをすることが苦手なぼくを解かってくれて、まだ、ぼくたち子供ですけど、、それでも、気持ちを共有してくれてます・・・・依存とは違うけれど、ちょっと近いものがあります」


「だったら、尚の事、自分が彼女を引っ張っていくとか、考えないか?」


「ぼくは、、彼女の支えになりたいんです、、男女の立場が入れ替わってもいいじゃないですか、ぼくは、夢の背中を押して、夢をしっかり支える側になりたいんです」


「でも、それは働きたくない、社会に出るのが怖いという、逃げじゃないか?」


「純さん」


「悪い、ちょっと言い過ぎた」


「いえ、ぼく自身それは考えましたから・・・・やっぱり、甘い考えなんでしょうか?」


「ぼくは甘い、とは思わないよ、働ける人がいる傍らに、働けない人がいる、社会に適応できる人がいる傍らに、できない人がいると思うから」


「でも、それだと、自立ができなくないか?先生も意外と甘いこと言うんだな」


「純さんは、愛さんがいなくなったら、生きていけますか?」


「え?」


「経済的に、とかもそうですけど、それだけじゃなく、、それこそ、月並みですけれど自分の体が半分欠けてしまうような、そんな気持ちになっちゃいませんか?」


「・・・・そうだな、、そう、なるだろうな」


「純さんも、叶さんも、勿論ぼくも・・・・そんなに強くできてないんですよ、でも・・・・」


「偉そうに言うかもしれないですけれど 人 って、そういうものだと思うんです」


「適材適所、か・・・・まぁ、考え方はしっかりしてると思うけど、なぁ・・・・。叶先生はどう思う?」


「ぼくは、人それぞれの考えがあって、生き方がある、お互いがそれで納得して、お互いが支え合って生きていけるなら、それでいいと思うよ」





「誰かを助けるために、冬の湖に飛び込める人が、どれだけいるかなって、考えちゃいました」


「あはは!そうだよね、わたしがそこにいたら、どうしてたかな〜?人を探してたかもしれないし、自分もやっぱり飛び込んじゃったりするかも」


「ほんと、無我夢中で、、叶先生が来てくれなかったら、もしかしたらって・・・・」


「・・・・本当に、ありがとうございました。私がここにこうしているのも、愛さんと叶さんのおかげです」


「もう、本当に無我夢中だっただけだから、夢ちゃんも、もう気にしないで」


「はい・・・・」





「湿っぽい話はいいからいいから!ほら!愛、純との話、してあげてよ!」


「うん、その後、病院で、純に告白されて・・・・嬉しいのに、涙が出ちゃって」


「わぁ・・・・すごく、ロマンティックですね」





「心が、編集者になるっていいだしたとき、純に物語をまた、書いてくれるようにすすめたんだ」


「そうなんだよね、わたしも、自分が出版社側の人間になるとは思ってなかったけれど」


「心さんは、どうして、編集者になろうって思ったんですか?」


「うん、本当に行き当たりばったりなんだよね、、ただ、昔に書いたっていう純の物語の話を聞いて、、誰かの心に残れる、そんなことの手伝いがしたいなっておもったんだ」


「純には、本当に生きていてほしいから、子供の時から好きだった、物語を書き続けてほしいの」


「純の書く物語は、時に楽しくて、時に、なんかこっちまで赤面しちゃいそうな話だったり・・・時に切なくて・・・・どこか、甘いけれど、酸味があるっていうか・・・・」


「純先生の物語には、そういうところがありますよね」


「でも、その、愛さんの前でこんなこと言っちゃうのはいけないんでしょうけれど、、完璧なゆえな脆さもあるような気がします」


「ふふ、夢ちゃんは結構鋭いね」


「きっと純は、私もそうだけれど、お互いを失ったら、、どこか、壊れちゃいそうで・・・・」


「それは、わたしと望にも当てはまるかもしれません・・・・彼は、独りでは生きていけない、けれど、、わたしも、きっと、同じなんです」


「わたしも、叶がいなかったら、、精神的な支えって奴だよね、、きっと、心が、気持ちが、どこか欠けちゃうと思うかな・・・・」


「よかったら、心さんと叶さんのお話も聞かせてもらえませんか?」


「えへへ、、いいけど、そのあとは夢ちゃんと望くんの事も聞かせてもらうからねっ!」


「そんなに、話すことはないですけれど、、、いいですよ!」




愛N
みんながお腹を満たした後で、お会計をすまして、外で集まる。


「それじゃ、次は、、天夏(あまなつ)で甘い物でも食べよっか!?」


「おいおい、まだ食うのか?」


「甘い物は別腹!ですよ、純先生!」


「そういうこと!」

夢N
そして、私たちは、心さんと愛さんと純さんが学生時代から行っているという、甘味屋 天夏 へと向かう。

愛N
みんなで甘い物を食べながら話していると、夢ちゃんが悲愛湖の話をしてくれた。


「ねぇ、愛さん・・・・悲愛湖の話って知ってます?」


「えっと、、少しだけなら、、心中した人の話、だよね」


「愛が叶わなくて、心中した人の話は、そうなんですけど、、実は、もっと話があるんですよ」

愛N
夢ちゃんが話した、悲愛湖のもう一つの話、、そこで運命的な出会いをした人達は、幸せになれる。そんな話だった。
わたしは純と、夢ちゃんは望くんと、心は叶先生と、、そう考えると、幸せになっている。きっと、悲愛湖には名前とは違う、もっと隠された、幸せな話があるんだなって、そう、想えた。

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セティル
「壊したいと思うか?」

定春
「は?」

セティル
「・・・・思わないか?」

定春
「いや、思わない、そう思うなら、物語を変えた意味がない」

セティル
「ふーん・・・・じゃ、誰かの幸せを壊したいという願望は別にないわけだな・・・・ところでお前、自分の性癖に気が付いてるよな?」

定春
「なんだって?」

セティル
「性癖だよ」

定春
「性癖?」

セティル
「お前、異常性癖だろ・・・・。加虐心なんて、生易しいくらいの暴虐心をもってる」

定春
「・・・・・・」

セティル
「それも、突発的なもので、、そう、、激情して物を壊すのと似ている。ボロボロにしたい、メチャクチャにしたい、、しかも、それも、自分が楽しむとかではなく、相手を玩具のように扱う、、そんなヤバイ性癖だ」

定春
「実際に、、それをしたら、自分が自分でなくなる」

セティル
「それはそうだが、今論じているのはそこじゃないんだ」

定春
「・・・・」

セティル
「お前には間違いなく二面性がある」

定春
「・・・・・・二面性」

セティル
「そうだ、、、蹂躙したい、壊したい・・・・。その自分を隠すために、優しい自分を演じている、、、というわけでもなく、、もう一つの自分だな」

定春
「子供の時のモラルというか道徳心から、、そんな自分は間違っていると思っている、けど、社会で生きてゆくには、そんな強さも必要なんだとも思う・・・・そうならないと、社会で生きていけないんじゃないかって・・・・だから・・・・どちらにも転べない、中途半端になってしまった」

セティル
「お前は、、白か黒かってことに拘りすぎている、混ぜてもいいんじゃないか?ああそれと、中途半端は 混ざっている じゃなくて 迷っている だからな」

定春
「その、踏ん切りがつかない・・・・自分は、どうしたいのだろう・・・・わからないんだ」

セティル
「・・・・・・・ふぅ」

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「は、はいっ!」

心N
編集部のチーフに呼ばれる、、あちゃーまた叱られるかな・・・・。


「でも、わたしは、ここはこうした方が良いと思うんです!!それのほうが、読者もきっと共感してくれると思います!」

心N
まるで反抗するように言う私の言葉に、チーフは口元に笑みを浮かべると、なら、やりたいようにやれって、、ただ、それでも、駄目な部分は指摘するからと言われた。





「望!」


「夢!」

望N
今日は、夢とのデートの日。


「どこいこっか?」

夢N
行き先なんて決めてないのは、いつもの事。


「夢といるなら、どこへ行っても楽しいから、夢がいるだけで楽しいんだ!」


「だ〜から、そういう顔が赤くなるようなことを言うな!」


「本当の事だから、夢だって、そう思ってくれてるでしょ」


「はぁ、本当にもう・・・・。思ってるわよ、でなきゃ一緒にどこかに行ったりなんてしないわ」




叶N
学校の授業が終わって、放課後に一人の女子生徒に呼び止められた。

叶N
告白だと思ったでしょ?と無邪気に笑う・・・・。そして、真剣な顔で、好きな人がいるんだけれど、どうしたらいいのかわからないという相談をされた。


「素直な気持ちを伝える、、それでいいんだよ。君がどれだけその人を好きなのか、、長い言葉じゃなくても、心のある、想いのある言葉は、きっと伝わるから」

叶N
例え振られても、後悔はしたくない、近いうちに、告白してみる、そう、彼女は言った。そして、そのあと、また無邪気に微笑み、、心の事、教え子と付き合うのってどんな気持ちだった?と聞かれる。


「最初は、少し、色々と考えてしまって、なかなか教師と生徒の壁を崩せなかったこともあるけれど、いまならはっきりと言える、、ぼくは、心を、彼女を愛しているよ」





「純、今日のご飯何か食べたいものとかある?」


「うーん、じゃあ、ハンバーグが良いな」


「ハンバーグね、、材料は・・・・」


「そうだ、愛、また一つ物語ができたんだ。読んでみてくれないか?」


「ほんと!?・・・・えへへ、いつも私が純の最初の読者だね」


「最初は、愛に読んでほしい」


「いつまでも、こうだといいな・・・・わたしは、幸せだよ、純」


「俺もだ、愛がいてくれて、本当によかった・・・・」


「あ、小説今回もお疲れさまでした!・・・・ご飯食べ終わったらゆっくり読みたいな」


「愛も、いつもありがとうな、、それはそうと晩飯の材料は・・・・」


「一緒に買いに行こう!」


「ああ、そうだな」

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セティル
「みんなそれぞれに、焦りもなくてリラックスしてるな・・・・。現実の世界は、お前は、人は、、余裕がない奴が多い・・・・それでも、幸せはあるはずだ」

セティル
「さて、それでお前はいつまで、殻に閉じこもる?死ぬまでか?・・・・書くのは、楽しくないか?」

定春
「楽しいさ、苦しいけど、、考えるのは楽しくて、創るのは苦痛だが、、、確かに、楽しいんだ・・・・」

セティル
「なら、それでいいじゃないか・・・・もっと、自分の書いた話を読んでもらうべきだと思うな」

定春
「才能が、ない」

セティル
「才能?・・・・そんなもの、大した差じゃない、才能がないなら、無いなりの書き方をすればいい」

定春
「だが、それだと、、金は、、生きてはいけない・・・・」

セティル
「・・・・・・金が、そんなに欲しいか?」

定春
「そこまで、ではないが、、今の状況をなんとかするくらいには欲しいさ」

セティル
「さもしい奴だな・・・金なんて、行動しているうちに勝手についてくる」

定春
「勝手に、ついてくるのか・・・・?本当か?」

セティル
「行動すればな・・・・お前はまだ、動いてない」

定春
「・・・・・・行動するのが怖い」

セティル
「恥を晒(さら)すからか?十分いまのままでも恥だろう?何もしなければ、なにもはじまらんぜ」

セティル
「物語の幸せを願い、それを叶えて・・・・それで満足か?」

セティル
「お前自体は、幸せになりたくないのか?違うよな?」

定春
「幸せがなんなのかさえ、よくわからない・・・・」

セティル
「じゃ、まずは、自分のできることを周りに示していけ」

定春
「できることなんて・・・・なにも・・・ない」

セティル
「じゃ、やりたいことだ」

定春
「やりたいこと・・・・キャラを、物語を書くこと・・・・」

セティル
「じゃ、それだ、、ダメ元で出版社とかに持ち込むなり、なんなりしてみようぜ?ダメ元なんだから、いいじゃないか」

定春
「実際に、才能がないと言われるのが・・・・怖い」

定春
「怖いのもあるが、俺にできることなんて、、本当になにもないんじゃなかって・・・」

セティル
「・・・・はぁ、それじゃなにも、変わらんぜ・・・・?」

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愛N
こうして、私たちの物語は続いてゆく。
これからもきっと、辛いことも大変なこともあるだろうけれど、、純が、心が、叶先生が、夢ちゃんが、望くんが、、、みんながいる。

夢N
あなたにとっての 愛の夢 は、どんな色を、どんな物語を絵楽(えがく)のだろう。

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セティル
「終わったか・・・・」

定春
「・・・・幸せな結末、なのかな・・・・」

セティル
「さあな、、正直、通過点での話だからな、どこかで事故にあうかもしれないし、なにかの事件に巻き込まれるかもしれない・・・・それは、もう、読んだ奴の判断と、書き手が書くか書かないかだな」

セティル
「さて、お前が一番苦手なことはなんだ?」

定春
「・・・・」

セティル
「どれも苦手か?」

定春
「生きること・・・・楽しむこと、、努力すること」

セティル
「努力、、か、、それをして自分ができると思える様になれば、いいわけか?」

定春
「継続することができない・・・・辛いと思ったらできなくなる」

セティル
「努力を努力と思うからいけないんだろうが・・・何事も楽しんでやらないと続かないぜ?」

定春
「絵を描いていても、ゲームを創ってみても、、楽しいよりはつらい方が先行して、中々進まないんだ・・・・。他の人はもっとすごいのを作る、他の人はもっとうまい絵を描く、それは他の人はもっと努力をしているからなんだ、努力をしないから自分は何もできないんだって・・・・」

セティル
「自然にできるのは、物語を作ることだけ、か・・・・。それとな、人と比べて、、それでどうなる?何度も言うが、自分にできることをしていればいいんだ。誰かと比べる必要はない、憧れとかで努力ができるか?妬ましさが先に来るんじゃないか?」

定春
「・・・・」

定春
「中途半端に、なにか、考えられた・・・キャラクターも物語も、それが、いけなかったのかもしれない、、そこから、伸びればよかったが、結局、、伸びしろはなかったんだ・・・・」

セティル
「そうか?絵に関してはどうだ?ガキの頃に比べれば、それなりにましになってるじゃないか」

定春
「でも、やっぱり、、遅いんだよ、成長が、そして、何をすればいいかもわからないから、あまり書いてないし、、そもそも、絵を描くのが嫌いになっているんだとおもう」

セティル
「なら、10年かけて、うまくなればいい、、さらに10年かけて、絵を好きになればいい・・・・。人の一生なんて、結局そんなものさ」

定春
「でも、それでいいのだろうか・・・・」

セティル
「今の流れに乗れないなら、自分のペースでいくしかないだろう」

定春
「でも、周りの人間は、周りは、、それではだめだと言うんだ」

セティル
「なぁ、実際にあった人間にそれを言われたか?ネット上とか、匿名とかそんなのだろう?相手の顔が見えないところで好き勝手に吠えてる、それを気にしてもしょうがない」

定春
「確かにそうかもしれないけれど、、本音ではそう思ってる人もいるはずだ。社会は苦しくないといけない、頑張らないといけない、努力ができないと屑だ、自立が出来なくても屑だ。でも、ほんとうは誰もひとりじゃ生きられないはずなのに・・・・」

セティル
「そうだな、、だれもひとりじゃ生きられないな・・・・」

定春
「本当に、生きてていいんだろうか?本当に生きていけるんだろうか・・・・。ただ生きてるだけじゃなく、本当の意味で生きていると実感できるようになれるんだろうか?何をしたらいいんだろう?どうしても、答えが出ない・・・・」

セティル
「・・・・答えなんて、出るもんじゃないんだろうな、自分で答えを決めるか、見つけるか、それとも、解からないまま突き進むか・・・・」

定春
「それが、できないから、こうなってしまったんだ・・・・」

セティル
「まずは、、楽しむことを思い出さないとな」

定春
「今自分は、国に保護されて生かされている・・・。生きている、ではなく、生かされている」

定春
「ありがたいと思うと同時に、生きる価値がやはりないんじゃないかと思う。そして、普通に働く気力も無い・・・・すべてが、つまらないんだ・・・・。一時的に楽しいことはある、けど、、ふと我に返ると・・・・やはり、詰まらないんだ」

セティル
「国から保護を受けているのが、そんなにダメなことか?競争社会だ、あぶれるやつはいるし、そのなかで生きていけない奴もいる、それを護るのが民主主義だろ?」

定春
「そうは思う、、けど・・・・。それでも、死に憧れを感じる。実行する勇気はないけれど、ふと、、なにもかもがどうでもよくなる」

セティル
「なるほど、それで、夜な夜な刃物をもって、まちを徘徊するようになったわけだ?お前は、自虐ではなく暴虐、加虐の部類だからな、、できる人間、普通に生きてる人間が憎くてしかたなかったとか、そんなところか?」

定春
「わからない・・・ただ・・・・誰でもよかったんだ・・・・」

セティル
「危険な思想、、いや、実行したから、危険分子か・・・・どちらにせよ、今は収まっているのだろう?」

定春
「そうだけど、、尚更、自分は生きていてはいけない気がする、何もかもが中途半端だ、いっそ、本当に何も出来なかったら、、よかったのに・・・・」

セティル
「・・・・・・」

_________________________________

セティル
「・・・・なぁ、もう解かってると思うが、俺は 現実 にはいないんだぜ?」

定春
「・・・・・・」

セティル
「それでも、俺はこうしてお前の中にいる」

セティル
「お前が物語を書くたびに、俺は ソコ に 存在 する」

定春
「物語を書くたびに・・・・」

セティル
「そうだ、お前がそれを書くたびに、なにかを生み出すたびに、俺はそこに存在できる・・・・だから、書け」

定春
「それを続けられるだろうか・・・・?」

セティル
「気が向いた時でいい、というか、たぶんお前は、、書かないと生きていられない、書かなければより不安になる、何かをしてないともっと不安になるだろう」

定春
「そうなんだけど、それが辛いんだ、、だから、楽しむことができないでいる」

セティル
「楽しむ余裕がないんだろうな、、でも、、それでも、書いて、それを表に出していけ・・・・。そうすれば、お前が死んだとしても、お前の想いは残る」

定春
「生きていた灯」

セティル
「そうだ。それは残る・・・・だから、書け、なにかを作れ、お前にできるのはそれくらいだろう?」

定春
「・・・・・・・それくらいしか、できない・・・・遅くても、とろくても、苦しくても、辛くても、、出来上がった時は嬉しい・・・楽しい・・・・」

セティル
「その一瞬のために生きているで、いいじゃないか」

定春
「一瞬の楽しみのための、、長い苦痛・・・・それで、いいんだろうか?それに耐えられるだろうか・・・・・」

セティル
「駄目になったら、暫くやめろ、また、書きたくなるさ」

定春
「それで、いいのかな」

セティル
「できることからだ、、まずは、楽しめ、楽しくないと始まらない。苦しいかもしれないが、努力かもしれないが、それでも、楽しむしかない。それができないから辛いんだろうが・・・・それでも、やめたらもっと苦しくなるぞ」

定春
「・・・・・・・・」

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定春
「自分の物語の中に、自分を書くべきか、悩んだ・・・・。悩んだが、それでもこれは私の物語だ、だから、自分も、その色に混ぜてみようと思った」

定春
「人によっては、作者自身の言葉なんて必要ないと思うかもしれない」

定春
「また人によっては、この話を書いた人がどんな人なのかを知りたいと思う人もいるだろう」

定春
「だけれども、いまの私の赤裸々な部分は、話したとしても、恐らくは迷惑になるとか興ざめになるとか、失望するような話しかないだろう」

定春
「それでも、誰かに聞いてほしいし、誰かに知ってほしいと思って・・・・こうして、書くことにした」

定春
「それが、社会に絶望し、いや、甘えて・・・・気が付いたら30過ぎにもなるのに・・・・・」

定春
「そんな男が書いた、ヘタな戯曲のような話・・・・それがすこしでも誰かの心に残ってくれれば、私が存在した灯(あかし)になる」




セティル
「同情されたいと思っている・・・・その気持ちも嘘じゃない」

定春
「現実で生きることは難しい、でも、みんな頑張っている」

セティル
「頑張る人がいるから、更に社会が苦しくなるんだと、思うこともある」

定春
「それでも、その頑張っている人を、否定するようなことは私にはできない」

セティル
「なぜなら、、頑張っている人は、みんな優しかったからだ」

定春
「いつか私は、夢 の様に、自分の命を絶つ日が来るかもしれない」

セティル
「純の様に、それでも生き続けられるかもしれない」

定春
「愛や心、叶や望のような自分になれるかもしれない」

セティル
「先の事は、見えないし、解からない・・・・それでも、こうして物語をタイプする」

定春
「今の私にできる唯一の事だからだ、物語を書いている間は、不思議と、心が落ち着いた」

セティル
「それを逃避だと言う人もいるだろう」

定春
「私が書いた話なんて、誰にでも考えられるし、誰にでも書けると、そう思うこともある」

セティル
「それでも、書き続ける・・・・物語を、キャラ達を・・・・自分の思想を・・・・」

定春
「こうして形にして、どこかに遺せれば私が生きている意味になるから・・・・」


「あなたにしか書けない物語がある」


「君にしか、生み出せない物語がある」


「君にだけにしか、考えられない想いがある」


「君にだけが、君にだけが、伝えられる言葉がある」


「あなたの心に、愛が、想いがある限り・・・・。解き放って!本当の自分を、本当の私を!」

セティル
「さぁ、動き出そう・・・・考えて考えた、自分だけの物語を歩もう」

定春
「物語は望むように、心も、夢も、純粋な自分の思いも、全部叶えられる」





「なら、現実だって変えられるはず・・・・。苦しんでいる人に、手を差し伸べてくれる人がいるはず、諦めるな、諦めてしまったら、そこで終わってしまう」


「諦めるな、まだ生きられる。頑張らなくていい、自分のペースでいい。
それが難しい 状況 ・・・・それが時代であり、家庭であり、環境であるけれど、それでも、きっと、幸せな、ハッピーエンドが待っているから・・・・」

定春
「これは自分に対しての言葉・・・・。そして、同じように苦しんでいる人たちへの言葉、いま苦しんでない人も、いつかは苦しむ時が来るかもしれない、、でも、みんな独りじゃない、孤独じゃない、だから、俯いたままの顔をあげて、周りを見てみてほしい、同じような人が、沢山いるはずだ・・・・だから手を伸ばして、声をあげてほしい・・・・」


「自分はここにいる、みんなはそこにいる、一人で苦しんで戦う必要はない、みんなでやれば、難しいことも、こんなに簡単なんだって思えるから」


「自分にできることなんてない、自分にはなにもできない・・・・。そんなことはないよ、君を必要としている人は、周りに沢山いるんだから」


「嫌な人、反りがあわない人とかもいるだろうけど、みんなそれぞれ、なにかを抱えて生きている、そんなあなたも、勿論何かを抱えている・・・・。解かった様なことを言うなと言われるかもしれない、、でもね!これが私の 心 だから!」

セティル
「殻を破ろう、ほら、君ならできるから、まずはやってみよう・・・・失敗は、間違いじゃない。考えて苦しんだことは、無駄な時間なんかじゃない」

定春
「希望の無い世界なんてうんざりだ・・・・。それぞれが、それぞれに希望の光になろう・・・・。そうあるべきだし、そうなれるはずなのだから・・・・」




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この物語自体、作者の独り言の様なものですが、下記は本当の独り言です。
というか、あとがきです。

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これが、有馬定春。只の夢想家が、心の中で想い、それを言葉にしたことだ。
考えてるだけでは、何も変わらない、でも、行動を起こすのが怖い。
私もそうだ、できることと言えばこうやって、なにかを書くこと・・・・。

だから、あなたにできることを、まずは探してみてほしい、、好きなことでもいい、誰かの話を聞くだけでもいい、あなたがあなたになれる時間を大切にしてほしい。
あなたがいた灯を、遺せる何かを探してほしい・・・・。

夢は愛だ、望は心だ。叶える思いは純粋な、子供の様な想いだ。
モラルや道徳を捨ててしまうのはよくないが、子供のころの心に戻って、、難しいかもしれないが、童心にかえって、まずは、動いてみよう。動いた結果が苦しいことかもしれないし、結果的に更に傷つくかもしれない、、でも、行動を起こしたことは、間違いではないから、何もしなければ、なにも始まらない。

まずは始めてみよう、その時に、誰かが同じように、なにかを始めているだろうから、君だけが傷つくことはないはずだから・・・・みんな違うように見えて、実はみんな同じ、それがきっと人間なんだろうと思う。

だから、あなたの愛の夢の色を、みんなに見せてほしい。




といいつつも、自分自身がすでに、何をするのも気力がわかず、このまま生きていていいのだろうか?死ねばぐるぐると巡る負の感情から抜け出すことができるのだろうか?ということばかり、考えている。

甘えだという人もいるだろうし、同じ気持ちの人もいるだろう。
だが、、どちらにしても苦しいのだ、、死に魅力を感じられずにはいられないが、死ぬような度胸もない。

ただこのまま、無駄に余生を過ごすのは、いかがなものかと思うわけだが、、気が付いてみれば、苦しいまま、一日が終わり、一日中布団からでられない、などということもある始末だ、これでは何もできない。

時偶に、こうして文章を書いてはいるが、、これも職業というわけではないので、無駄なことなのだろう。

だから私は、物語の中では生きていてほしい、などと書いたが、独りで苦しみ、そうでなくても苦痛が続くのであれば、、やはり、自死を行うということが、間違っているとは思えないのである。

その人は、苦しんだのである、苦しんだ末に、無を選んだのだ。
その気持ちは、痛いほどによくわかる。

人身事故などで、自死とは限らないかもしれないが、もしそうだとして、電車に飛び込んだ人は、どんな気持ちで飛び込んだのだろうか?そう思わずにはいられない。

世の中は歪で、おかしく、そして、苦痛である。努力のできない者にとっては更に、、苦痛であり、苦しいのだ。だが、確かに、暖かい場所があるのも事実だが、、、やはり、大半は苦しいのだ。

生活保護者は死ね、だとか、、社会に生きられない奴は死ねというのをネット上でよく見かけるが、人を人としてみなさなくなった人間ほど、醜く、ひどいものはないと私は思うが、、その気持ちもよくわかる、自分が一生懸命にやっているのに、なんであいつだけのうのうと、、そう、思うのだろう。
その気持ちは、わかるだけに、尚更自分を責めてしまうのであるが、、叩く場所が違う気もまたするのだ。

なんで、自分たちの境遇を良くしようとせず、別の所を叩くのか?
現状に甘えてしまっているのは、、どちらも一緒なのではないだろうかと、思ってしまうわけであるが、、そんなことをいっても、彼らは聞く耳を持たないのかもしれない。仲間とはみなされていないのだろうから。

だがもちろん、そんな人たちばかりでないことは、ここに明記しておく。

本当に人は、色々な思想があるだろうが、、幸せの定義に触れてみれば、みんなそんなに大差はないのではないかと思うのだ。

上手い食い物に、うまい酒、うまいタバコに、気の合う仲間や異性、そして、雨風を凌げる暖かい家。だいたい、これがあれば皆満足なのではないだろうか?

働き方も、一日に4〜5時間働き、週に四日、あとは休みで、全ての人に職を与え、給料も一律25万とかにすれば、自由な時間も職が欲しい人も、そして、ある程度のお金も手に入る。が、もちろんこんなことは夢想中の夢想であるが・・・・。

これだけ、働きたいのに職に就けない人がいる一方で、、過労死寸前や精神が崩壊してしまう人までいるという矛盾が生じている。おかしな話である。

どちらにしても、私の様にあんこに蜂蜜をかけて砂糖を塗りたくり、練乳をかけてもまだ甘い考えの持ち主には、なかなかにつらい世の中である。
わたしとしては、本当に、物語の世界の様に、みんな幸せな余生を過ごしてほしいのであるが、、、私自身がそうでないのと、やはり、そうもいかない現状というものがあるのだろう、、みんな苦しいから、お前も苦しめという論法はどうかと思うが、、やはり、それもわからなくもないのである。

生きるのは、かくのごとく難しい。はっきりとしたことが意外と少ないからなのか、自分自身の気の持ちようなのか、それはわからないが、、痛みと苦しみは事実そこにある。幸せも、きっとどこかにあるのだろうが、、私はまだ模索中である。
殻に閉じこもっているので、まだ、模索はしていないのともいえるだろうが、、それでも、支えてくれる人が、気持ちの通じ合う人がいるかもしれないし、やはり、自死を選ぶことになるのかもしれない、それはわからないが、黙っていても、人間最後には死ぬだから、もう少し生きてみようと思っているしだいである。

こうやって、物語やゲーム、その他諸々を創って、一時の悦に浸りつつ、もう少し、生きてみようと思うのだ。

もし、これを読んでいて、わたしの様な者にも書けたのだからと、同じようになにかを創る気力が沸いたら、ぜひあなたの作品を創ってほしい。

そして、それを誰かに見せてほしい・・・・。

あなたの声を、言葉を聞かせて欲しい。

そうすれば、あなたがそこに生きていた、あなたがそこにいる、その灯が上がるのだから・・・・。

きつい評価や、色々な反感をされるかもしれないが、、、それでも、創り続けてほしい。

やることをやってから、やれ。無駄なことをしている暇があるなら金を稼げ。そう言われるかもしれない。

だが、それはあなたの声だ。声をあげねば、誰も答えてはくれない。穴倉の中でどんなに手を伸ばそうとも、、そこに穴があることすら気が付かない人もいるのだ。

だから、声をあげよう、誰かが気が付いてくれるかもしれない。救いの手が訪れるかもしれない、希望など抱かない方が良いかもしれないが、希望の無い世界など、それこそ無意味ではないだろうか?

だから、わたしは生きている限り、そうするつもりだ。

筆者のおしゃべりに付き合って、ここまで読んでくれた方がいたら、ありがたいことであり、幸なことである。

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