演者は、一人です。
一人用の劇です。
男性用もつくりましたです。
最後の台詞は演者さんがどちらを読むか選んでください。
どちらの文を読むかで、きっと、話の全体像や、キャラクターの心情などが変わると思いますです。
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久しぶりだな。
何年ぶりだろうな?
あいつがまだ小さい時だったから、20年位たつか・・・。
あいつも今は、会社に勤めているけど・・・。
お前はバイトこそした事があったけれど、その後はずっと無職で・・・。
働く気がなさそうで・・・。
我が弟ながら、駄目な奴だって思っていたのを、認めるよ。
妻に対しても、お前の存在が後ろめたいと思っていたことも認める。
妻も、一緒に住んでも、とまでは言わなかったが、それでも別段お前を責めるような事は言ってなかった。
あいつも大人になって、お前よりは若いけれど、そろそろ追いつく位の歳になった。
覚えてるか?
あいつがお前と一緒に作ったプラモデル。
船のプラモデルで、なんだったか? そうだ 霧島 だったな。
戦艦のプラモデルだったな。
あいつの誕生日に、買いに行って、あいつはこれがいいって選んだけど、子供には難しくて。
偶々(たまたま)お前が家にきていて・・・。
困ってるあいつをみて よし、一緒に作るか〜 ってそういって作ってたな。
お前も 初めて買って作った船のプラモデルが 同じ戦艦の、、えっと、はるな?だったか?難しいんだよな〜船って、部品細かいしって言って。
それで、道具がハサミしかなかったから、ニッパーとカッター、それから接着剤を買いに行ってから、その後、一緒に作り始めて・・・。
とりあえず部品が多いから、AとかBとかを分けて、一緒になって、えーと、Aの3、Aの3はどこだ〜・・・おっ、あった!って 楽しそうにしていたよな。
その後、俺達の顔をみるとあいつは言うんだ。
叔父さんは?叔父さんは今日は来ないの?って、そればかりで・・・。
妻が嫉妬するくらいだった。
俺達夫婦がどう思うが、社会的にどう思われようが、関係なくって・・・。
あいつにとって、お前は、そうだな、兄貴みたいな感じだったんだと思う。
それからあの船は、あいつにとって宝物みたいになったんだ。
誕生日の日が近づくと、あいつ、ふと思い出したように、そのプラモデルを手にとって見ているときがある。
なのにお前は死んだ・・・。
最期まで逃げた・・・ずるい奴だ。
お前は自分に価値なんて無いって言っていたけれど・・・。
あいつにとっての良い叔父さんであってくれれば、それで良かったのに・・・。
何て言えないよな、お前の悩みとか聞いていたけれど、子供の言い訳みたいだって流していたしな。
お前も壁を作っていたけれど・・・。
俺達も結局、お前を助けようとはしなかった・・・。
それでも、あいつにとっては、お前の存在は大きかったんだ。
葬式の時に、あいつにいったんだ。
「もう、叔父さんには会えなくなる」そう言ったんだ
あいつは 何で? とも どうして? とも言わなかった。
俺を悲しそうな目で見つめた後、下を向いてずっと黙ったままだった。
それから暫くたった頃、あいつ、寝言で、お前の事を呼んでいたんだ。
夢でも見たのかって聞いたけど、あいつは覚えてなかった。
机の上、本棚、枕元、位置は変わってるが・・・。
今でも、あいつはあのプラモデルを大事にしている。
自分が一番目に付く所に置いてるんだ。
少し前に、久しぶりに、あいつにお前の事を話した。
特に興味が無いように装って(よそおって)いたけど・・・。
その日、あいつが寝言を言っていたんだ・・・小さい時のように。
叔父さん、もう嫌だよ、助けてって・・・。泣きながら、そう言っていた。
お前の遺書は、パソコンのメモ帳に書いてあったな。
俺達の知らない、色々な人宛にも書かれていたけれど。
あいつに書いたお前の言葉も読んだよ。
善人になれとも言わない。
悪人になれとも言わない。
ただ、周りの人を楽しませて、そして自分も楽しめる。
そんな 人 になってほしい。
自分と同じような穴にはまらないで欲しい。
幸せに生きて欲しい。
愛も知らない、幸せも感じられなくなった男の最期の願いだって・・・。
他の人宛てに書いたものも、同じように、優しい言葉が書かれていた。
最後には ありがとう ってそう書いてあったな。
なぁ、それって、愛情なんじゃないのか?あいつと居たときのお前は幸せじゃなかったのか?
あいつも、何も言わず黙ったまま、それを読んでいた・・・。
今のあいつ、俺達の前ではなんでもない様にしてるけれどな・・・。
最近、お前に似てきたんだ・・・。
あいつの前では見せなかった、本当のお前に・・・。
なぁ・・・頼む・・・。
///////////////最後の台詞は演者さんがどちらか選んでください//////////////////////////////
「あいつを連れて行かないでくれ・・・」
「俺達を護ってくれ・・・」
////////////////////あとがきのようなもの//////////////////////////////////////////////////
いやぁ・・・ボランティアに行くときのバスに乗ってるときに考えたネタです。
自分が初めて作ったの戦艦のプラモデルが、榛名 だったきがして、なんとなくで作りました。
相変わらず〜、はい、自分もっさりはいってますw
それにしても、ギャグはかけないものか?シリアスばっかな上、人が死ぬ死ぬ^^;
人によっては好き嫌いが分かれそうですが、まぁ、今はこんなのしか書けないし、しょうがないよねぇ〜なんて思ってやってます。
そんな台本でよければ、これからも、ちょこちょこ作ると思うのでよしなに〜。
ではではです!