ひろし ♂
父
みずき ♀
母
あかり ♀
中学2年生
かずき 不問
小学2年生、知恵遅れがあり言葉がたどたどしい。
みさ ♀
小学6年生
/////////////////////////////
かずき「お、とう、さん・・・」
ひろし「かずき!お前は 普通だ! もっとはっきりしゃべるんだ!」
みずき「あなた、もう少し言い方があるでしょ」
みさ「お父さん、かずきにはもう少し時間が必要だよ」
ひろし「根性だせば直る!無理だというから無理なんだ!」
みさ「お父さん・・・」
あかり「典型的なダメ親ね」
ひろし「お前らの出来がもう少しよければな、言う言葉も少なくてすむのにな」
あかり「悪かったわね、あんたの子供だから」
ひろし「ほんと、ああいえばこう言うよなお前は」
あかり「みさとかずきが大人しい分、余計に言い返したくなるのよ」
ひろし「お前は、俺の子供だってことを自覚してるか?誰のおかげでな、、大体、男とばっかり付き合いやがって・・・」
あかり「わたしが誰と付き合おうが勝手でしょ?それに、生んでくれ、なんて頼んだ覚えもないし」
ひろし「悪かったな、勝手に生んで、ならさっさと出て行けよ」
あかり「そうするわよ、中学でたらね」
みずき「あかり・・・」
あかり「大体、お父さんがそうだから、私やかずきみたいな欠陥h・・・」
みずき「あかり。それ以上言ったら、叩くわよ」
あかり「・・・ごめん」
みずき
「あなたもあなたよ、もう少し父親としての自覚をもったら?同レベルよ。かずきには知的な病気があるのはわかってるでしょ?それを根性とか、ワ○ミですか?あなたは?馬鹿も休み休み言ってほしいわ」
ひろし「・・・ぐっ・・・。・・・で、かずき、どうした?」
かずき「み、さ・・・おねぇ、ちゃんが・・・」
ひろし「みさがなんだって?」
みずき「あなた」
ひろし「・・・んん!!、、みさ、おねぇちゃんがどうしたって?」
かずき「タイ、、ム、カプ、セル、うめ、た」
みさ
「そうなのよ、さっきかずきに話したんだけど・・・。でもね、かずき、少し違うわ。まだ埋めてなくて、来週、学年の代表が埋めに行くの」
かずき「らい、しゅう、だい・・・ひょう・・・?」
みさ「そ、かずきのクラスにも居るでしょ?みんなをまとめる子達」
かずき「うぅ〜、、ぁ・・・いる」
みさ「ふふ、その人が来週、みんなの用意した物を、埋めに行くの」
あかり「何を埋めるのか決まってるの?」
みさ「それを来週までに、考えないといけないんだけど・・・。どうしようかなって・・・」
あかり「無難に手紙なんてどう?」
みさ「うーん、やっぱりそれかな〜」
あかり「あとは、今流行のゲームとか、おもちゃとか〜」
ひろし「たいむかぷせる?・・てが、み?・・・うっ!頭が!・・・」
あかり「頭がどうしたって〜?お父さんの頭が悪いのは元からでしょ」
みずき「!?・・・あなた、大丈夫?」
あかり「お母さん?」
ひろし「・・・・ちょっと、想い出したことがある」
みずき「あなた・・・良かったわ。会社、休んだのね」
あかり「なによお父さん、ズル休み?」
みさ「お父さん、その箱は?」
ひろし「・・・タイムカプセルだ。昔、埋めたのを想い出したんだ」
かずき「たいむ、かぷせ、る」
あかり「ふ〜ん、まぁいいわ。面白そうね、開けてみてよ」
ひろし「・・・ぁ、ああ・・・」
みさ「手紙が2枚みたいね」
ひろし
「大人になった自分へ
大人になった貴方は、どうですか?
子供がいますか?
貴方が子供のときに親や大人に言われた嫌なことを
自分の子供に言ってませんか?
大人になった貴方に問いたい。
貴方は、普通に縛られて 子供から希望を奪っていませんか?
ぼくが 今 感じていることを 感じさせられたことを 大人になったぼくが、それと同じことをしてないか心配です。
・・・ぼくは、今のような大人にはなりたくないから、これを残します。
6年C組み 水木ひろし」
みさ
「もう一枚のほうは・・・
タイムカプセルを二人で埋めようって話して、明日。埋めることになりました。
色々、書きたいことがあるけれど・・・。
ひろし君に言ってない秘密だけ、書きます。
・・・わたしはきっと長くは生きられません。
それでも私は、ひろしくんのことが好きです。
だから、ひろしくんの子供に、もし女の子が生まれたら、私の名前を付けてほしいな。
本人に直接言えないけれど、タイムカプセルに入れる手紙になら、ちょっとずるいけど、いいかなって・・・。
水の島には、木が必要だから・・・なんてね。
6年C組み 水島あずさ」
ひろし「あずさ・・・あずさ・・・。想い出した」
みさ「忘れてたの?お父さん」
ひろし「・・・ぁ、ああ・・・忘れてた」
あかり「・・・お父さんって、最低だね」
ひろし「本当、だな・・・。なんで、忘れてたんだろう・・・」
あかり
「っ!・・・やっぱりお父さん欠陥品じゃない!・・・こんな大切な想い出忘れちゃうなんてさ、考えられないよ。・・・頭どうかしてるんじゃない!?」
みずき「あかり」
ひろし「・・・あぁ、本当に、な・・・っ・・・ぅぅ・・・」
みさ「お、おとう、さん?・・・お姉ちゃん、今のは言いすぎだと思う」
あかり「ぁ・・・いや、、ごめん・・・。やっぱり、わたしも、欠陥h」
みずき「あかり。それ以上言うと、抱きしめるわよ?」
あかり「・・・あはは、何それ面白い・・・。んっ、かずき、なに、してるの?」
かずき「なま、え・・・なまえ・・・かいて、る」
かずき「ぼく、たちの・・・おなまえ」
みさ「名前?私達の名前がどうかしたの?かずき」
あかり「名前?・・・あっ!!」
みさ「これ、私達の名前・・・」
あかり「なんだ、お父さん・・・わかってたんだ」
ひろし「・・・?なんのことだ・・・?」
みずき「本当ね。あなた、わからないなら、わかるまで読んでみるといいわ」
ひろし「あかり・・・かずき・・・みさ・・・あっ!!」
あかり「わかった?」
ひろし「あ、ああ・・・でも、忘れてたのに、知らなかったのに、、どうしてだ・・・?」
かずき「おも、、い・・・き、も、ち・・・」
みずき
「お父さんと結婚する前に、おじいちゃんとおばあちゃんに言われたことがあったのよ。お父さんは記憶喪失になってるんだって・・・。このことだったのね・・・」
ひろし「親父の奴、そんなことお前に話してたのか・・・。結婚前か、お前の名前がおかしくなるって、笑ってたっけな」
みずき「そ、あなたのおかげで、わたしの名前は、水木みずき なのよ」
みさ「ん?・・・まって、まだなにか・・・底の、っとれそう、、とれた!」
あかり「?板の下にまた手紙?」
あかり
「あの娘が死んだ・・・。死んだ・・・死んだ・・・死んだ・・・。
苦しい、もう会えない。
舌を噛んでみた・・・手首を切ってみた・・・。
首を吊ってみた・・・高いところから飛び降りてみた・・・。
それでも、あの娘に会えない、会えない、会えない・・・。
ぼ く は も う い き て い た く な い」
みさ
「死にたくない死にたくない死にたくない
死にたくない死にたくない死にたくない
死にたくない死にたくない死にたくない
死にたくない死にたくない死にたくないよ・・・。
・・・ひろし君が、もし、死んじゃったら・・・わたしはどんな気持ちになるかな・・・?
ごめんね。ひろし君。
最期に、私からの・・・勝手な、お願い。
わ た し の こ と を ぜ ん ぶ ぜ ん ぶ わ す れ て く だ さ い」
あかり「なに、、これ・・・?」
みさ「怖い・・・?違う・・・これ、悲しいんだ・・・」
みずき「でも、この手紙って・・・」
ひろし「こんなの、書いた覚えも、埋めた覚えも、ない・・・」
かずき「お、もいで・・・きおく・・・全部全部閉じ込めた」
ひろし「かず、き?お前・・・」
かずき
「閉じ込めた、忘れさせた。ひろし君は言ったよね?君が島なら僕は木だ。木と島は二つでひとつだって、どちらがかけてもダメなんだって・・・でも、私はダメだった。島が腐れば木も腐る。あなたも・・・だから、忘れさせた。全部全部」
かずき「あなたの怒りは誰への怒り?あなたの普通は誰の普通?・・・欠陥品って、、誰の事?」
ひろし「あず、さ・・・」
かずき「変わったの?変わらなかったの?」
ひろし「変わってしまった」
かずき
「・・・違うよ。忘れてただけ。全部全部、この箱の中・・・ひろし君の私と過ごした時間に閉じ込めた。でもひろし君は開けた。この箱を・・・だから、全部、想い出すことになる」
ひろし「・・・・・頭が、痛い・・・痛・・っ・・・い・・・ぁぐ・・」
みずき「あ、あなた!?」
あかり「お父さん!?」
かずき「お休みなさい。次に目覚めたときは・・・」
あかり
「かずき!?・・・おとうさん!おとうさんってば!」
みずき
「きゅ、救急車!」
みさ
「・・・・・・今度は、しあわせに シ ア ワ セ ニ オ ナ リ ナ サ イ 」
あかり
「みさ、まで・・・っ、ちょっとしっかりしてよ!?」
みさ
「・・・ううん、なんでもない、、、なんでもない・・・大丈夫、だよ。おねえちゃん」
みさ
これが、あの時の起きたこと。それからお父さんは数ヶ月間眠り続けて、目覚めたあとはまるで月の物が落ちたように、穏やかになりました。
わたしの子供にもし、女の子が生まれたら・・・あずさって名前を付けたいとおもいます。
____ココデ オワラセテ オケバ イイハナシノママ オワル 続けるか否か、演者さんにゆだねますー____
ひろし
「みさ、、きたのか」
みさ
「うん。今日も一緒に寝よう」
みさ
あの箱は次の日には無くなっていました。
消えてしまう前に、私に届いた、箱の中から零れ落ちた言葉・・・。
ひろし
あずさは、僕にとって、、大事な人です。
将来、あずさを幸せにしたい、だからこそ、今みたいな大人になっちゃいけないんだ。
あずさと僕の子供、、あ、、考えすぎかな、まだ早いよね、うん。
学校の奴らだって、みんな死ねばいいんだ。あずさは、僕が護って、、子供の僕にだって、、出来ることがあるはずなんだ。
・・・あずさが親にどんな風に扱われているのか知ってる、いつも、知らない人と裸で眠らされるんだって
痛いんだって、怖いんだって・・・。僕に、もっと力があれば、あずさを助けてあげられたのに・・・。
気がついていたのに、わかっていたのに、あずさから聞いていたのに・・・。
それでも、何も出来なかった僕は、欠 陥 品 なんだ。
みさ
ごめんね。ひろしくん。わたし、病気なんだって・・・股から変な臭いもしてる・・・。
これから、顔が崩れて体もボロボロになって死ぬんだって・・・。
ひろしくんの中では、綺麗なままの私でいたいから・・・せめて、見た目だけは綺麗なままで・・・。
ごめんね、ひろしくん。
みさ
「お父さんは、記憶を失う前に・・・。人を殺しました。
あずささんの家に火をつけて、こんがりと焼いたんだって・・・そうだよね?お父さん」
ひろし
「許せなかったんだ」
みさ
「・・・お母さんとわたし、どっちが早いかな?」
ひろし
「知っているだろう?あいつとは、もう寝てないよ」
みさ
「ふふ、嬉しい・・・。これは、わたしとお父さんだけの秘密・・・だから、一緒に幸せにしようね・・・ひ ろ し く ん 」
ひろし
「ああ、愛しているのはお前だけだよ。あ ず さ」