ひろし ♂


みずき ♀


あかり ♀
中学2年生

かずき 不問
小学2年生、知恵遅れがあり言葉がたどたどしい。

みさ ♀
小学6年生


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かずき「お、とう、さん・・・」

ひろし「かずき!お前は 普通だ! もっとはっきりしゃべるんだ!」

みずき「あなた、もう少し言い方があるでしょ」

みさ「お父さん、かずきにはもう少し時間が必要だよ」

ひろし「根性だせば直る!無理だというから無理なんだ!」

みさ「お父さん・・・」

あかり「典型的なダメ親ね」

ひろし「お前らの出来がもう少しよければな、言う言葉も少なくてすむのにな」

あかり「悪かったわね、あんたの子供だから」

ひろし「ほんと、ああいえばこう言うよなお前は」

あかり「みさとかずきが大人しい分、余計に言い返したくなるのよ」

ひろし「お前は、俺の子供だってことを自覚してるか?誰のおかげでな、、大体、男とばっかり付き合いやがって・・・」

あかり「わたしが誰と付き合おうが勝手でしょ?それに、生んでくれ、なんて頼んだ覚えもないし」

ひろし「悪かったな、勝手に生んで、ならさっさと出て行けよ」

あかり「そうするわよ、中学でたらね」

みずき「あかり・・・」

あかり「大体、お父さんがそうだから、私やかずきみたいな欠陥h・・・」

みずき「あかり。それ以上言ったら、叩くわよ」

あかり「・・・ごめん」

みずき
「あなたもあなたよ、もう少し父親としての自覚をもったら?同レベルよ。かずきには知的な病気があるのはわかってるでしょ?それを根性とか、ワ○ミですか?あなたは?馬鹿も休み休み言ってほしいわ」

ひろし「・・・ぐっ・・・。・・・で、かずき、どうした?」

かずき「み、さ・・・おねぇ、ちゃんが・・・」

ひろし「みさがなんだって?」

みずき「あなた」

ひろし「・・・んん!!、、みさ、おねぇちゃんがどうしたって?」

かずき「タイ、、ム、カプ、セル、うめ、た」

みさ
「そうなのよ、さっきかずきに話したんだけど・・・。でもね、かずき、少し違うわ。まだ埋めてなくて、来週、学年の代表が埋めに行くの」

かずき「らい、しゅう、だい・・・ひょう・・・?」

みさ「そ、かずきのクラスにも居るでしょ?みんなをまとめる子達」

かずき「うぅ〜、、ぁ・・・いる」

みさ「ふふ、その人が来週、みんなの用意した物を、埋めに行くの」

あかり「何を埋めるのか決まってるの?」

みさ「それを来週までに、考えないといけないんだけど・・・。どうしようかなって・・・」

あかり「無難に手紙なんてどう?」

みさ「うーん、やっぱりそれかな〜」

あかり「あとは、今流行のゲームとか、おもちゃとか〜」

ひろし「たいむかぷせる?・・てが、み?・・・うっ!頭が!・・・」

あかり「頭がどうしたって〜?お父さんの頭が悪いのは元からでしょ」

みずき「!?・・・あなた、大丈夫?」

あかり「お母さん?」

ひろし「・・・・ちょっと、想い出したことがある」



みずき「あなた・・・良かったわ。会社、休んだのね」

あかり「なによお父さん、ズル休み?」

みさ「お父さん、その箱は?」

ひろし「・・・タイムカプセルだ。昔、埋めたのを想い出したんだ」

かずき「たいむ、かぷせ、る」


あかり「ふ〜ん、まぁいいわ。面白そうね、開けてみてよ」

ひろし「・・・ぁ、ああ・・・」


みさ「手紙が2枚みたいね」




ひろし
「大人になった自分へ

大人になった貴方は、どうですか?

子供がいますか?

貴方が子供のときに親や大人に言われた嫌なことを

自分の子供に言ってませんか?

大人になった貴方に問いたい。

貴方は、普通に縛られて 子供から希望を奪っていませんか?

ぼくが 今 感じていることを 感じさせられたことを 大人になったぼくが、それと同じことをしてないか心配です。

・・・ぼくは、今のような大人にはなりたくないから、これを残します。

6年C組み 水木ひろし」



みさ
「もう一枚のほうは・・・

タイムカプセルを二人で埋めようって話して、明日。埋めることになりました。

色々、書きたいことがあるけれど・・・。

ひろし君に言ってない秘密だけ、書きます。

・・・わたしはきっと長くは生きられません。

それでも私は、ひろしくんのことが好きです。

だから、ひろしくんの子供に、もし女の子が生まれたら、私の名前を付けてほしいな。

本人に直接言えないけれど、タイムカプセルに入れる手紙になら、ちょっとずるいけど、いいかなって・・・。

水の島には、木が必要だから・・・なんてね。

6年C組み 水島あずさ」




ひろし「あずさ・・・あずさ・・・。想い出した」

みさ「忘れてたの?お父さん」

ひろし「・・・ぁ、ああ・・・忘れてた」

あかり「・・・お父さんって、最低だね」


ひろし「本当、だな・・・。なんで、忘れてたんだろう・・・」

あかり
「っ!・・・やっぱりお父さん欠陥品じゃない!・・・こんな大切な想い出忘れちゃうなんてさ、考えられないよ。・・・頭どうかしてるんじゃない!?」

みずき「あかり」

ひろし「・・・あぁ、本当に、な・・・っ・・・ぅぅ・・・」

みさ「お、おとう、さん?・・・お姉ちゃん、今のは言いすぎだと思う」

あかり「ぁ・・・いや、、ごめん・・・。やっぱり、わたしも、欠陥h」

みずき「あかり。それ以上言うと、抱きしめるわよ?」

あかり「・・・あはは、何それ面白い・・・。んっ、かずき、なに、してるの?」

かずき「なま、え・・・なまえ・・・かいて、る」



かずき「ぼく、たちの・・・おなまえ」

みさ「名前?私達の名前がどうかしたの?かずき」

あかり「名前?・・・あっ!!」

みさ「これ、私達の名前・・・」

あかり「なんだ、お父さん・・・わかってたんだ」

ひろし「・・・?なんのことだ・・・?」

みずき「本当ね。あなた、わからないなら、わかるまで読んでみるといいわ」

ひろし「あかり・・・かずき・・・みさ・・・あっ!!」

あかり「わかった?」

ひろし「あ、ああ・・・でも、忘れてたのに、知らなかったのに、、どうしてだ・・・?」

かずき「おも、、い・・・き、も、ち・・・」

みずき
「お父さんと結婚する前に、おじいちゃんとおばあちゃんに言われたことがあったのよ。お父さんは記憶喪失になってるんだって・・・。このことだったのね・・・」

ひろし「親父の奴、そんなことお前に話してたのか・・・。結婚前か、お前の名前がおかしくなるって、笑ってたっけな」

みずき「そ、あなたのおかげで、わたしの名前は、水木みずき なのよ」


みさ「ん?・・・まって、まだなにか・・・底の、っとれそう、、とれた!」

あかり「?板の下にまた手紙?」


あかり
「あの娘が死んだ・・・。死んだ・・・死んだ・・・死んだ・・・。
苦しい、もう会えない。
舌を噛んでみた・・・手首を切ってみた・・・。
首を吊ってみた・・・高いところから飛び降りてみた・・・。
それでも、あの娘に会えない、会えない、会えない・・・。


ぼ く は も う い き て い た く な い」


みさ
「死にたくない死にたくない死にたくない
死にたくない死にたくない死にたくない
死にたくない死にたくない死にたくない
死にたくない死にたくない死にたくないよ・・・。
・・・ひろし君が、もし、死んじゃったら・・・わたしはどんな気持ちになるかな・・・?
ごめんね。ひろし君。
最期に、私からの・・・勝手な、お願い。

わ た し の こ と を ぜ ん ぶ ぜ ん ぶ わ す れ て く だ さ い」



あかり「なに、、これ・・・?」

みさ「怖い・・・?違う・・・これ、悲しいんだ・・・」

みずき「でも、この手紙って・・・」

ひろし「こんなの、書いた覚えも、埋めた覚えも、ない・・・」

かずき「お、もいで・・・きおく・・・全部全部閉じ込めた」

ひろし「かず、き?お前・・・」

かずき
「閉じ込めた、忘れさせた。ひろし君は言ったよね?君が島なら僕は木だ。木と島は二つでひとつだって、どちらがかけてもダメなんだって・・・でも、私はダメだった。島が腐れば木も腐る。あなたも・・・だから、忘れさせた。全部全部」

かずき「あなたの怒りは誰への怒り?あなたの普通は誰の普通?・・・欠陥品って、、誰の事?」

ひろし「あず、さ・・・」

かずき「変わったの?変わらなかったの?」

ひろし「変わってしまった」

かずき
「・・・違うよ。忘れてただけ。全部全部、この箱の中・・・ひろし君の私と過ごした時間に閉じ込めた。でもひろし君は開けた。この箱を・・・だから、全部、想い出すことになる」

ひろし「・・・・・頭が、痛い・・・痛・・っ・・・い・・・ぁぐ・・」

みずき「あ、あなた!?」

あかり「お父さん!?」


かずき「お休みなさい。次に目覚めたときは・・・」


あかり
「かずき!?・・・おとうさん!おとうさんってば!」

みずき
「きゅ、救急車!」

みさ
「・・・・・・今度は、しあわせに シ ア ワ セ ニ オ ナ リ ナ サ イ 」

あかり
「みさ、まで・・・っ、ちょっとしっかりしてよ!?」

みさ
「・・・ううん、なんでもない、、、なんでもない・・・大丈夫、だよ。おねえちゃん」



みさ
これが、あの時の起きたこと。それからお父さんは数ヶ月間眠り続けて、目覚めたあとはまるで月の物が落ちたように、穏やかになりました。
わたしの子供にもし、女の子が生まれたら・・・あずさって名前を付けたいとおもいます。


____ココデ オワラセテ オケバ イイハナシノママ オワル 続けるか否か、演者さんにゆだねますー____


ひろし
「みさ、、きたのか」

みさ
「うん。今日も一緒に寝よう」


みさ
あの箱は次の日には無くなっていました。
消えてしまう前に、私に届いた、箱の中から零れ落ちた言葉・・・。


ひろし
あずさは、僕にとって、、大事な人です。
将来、あずさを幸せにしたい、だからこそ、今みたいな大人になっちゃいけないんだ。
あずさと僕の子供、、あ、、考えすぎかな、まだ早いよね、うん。

学校の奴らだって、みんな死ねばいいんだ。あずさは、僕が護って、、子供の僕にだって、、出来ることがあるはずなんだ。

・・・あずさが親にどんな風に扱われているのか知ってる、いつも、知らない人と裸で眠らされるんだって
痛いんだって、怖いんだって・・・。僕に、もっと力があれば、あずさを助けてあげられたのに・・・。
気がついていたのに、わかっていたのに、あずさから聞いていたのに・・・。
それでも、何も出来なかった僕は、欠 陥 品 なんだ。

みさ
ごめんね。ひろしくん。わたし、病気なんだって・・・股から変な臭いもしてる・・・。
これから、顔が崩れて体もボロボロになって死ぬんだって・・・。
ひろしくんの中では、綺麗なままの私でいたいから・・・せめて、見た目だけは綺麗なままで・・・。
ごめんね、ひろしくん。


みさ
「お父さんは、記憶を失う前に・・・。人を殺しました。
 あずささんの家に火をつけて、こんがりと焼いたんだって・・・そうだよね?お父さん」

ひろし
「許せなかったんだ」

みさ
「・・・お母さんとわたし、どっちが早いかな?」

ひろし
「知っているだろう?あいつとは、もう寝てないよ」

みさ
「ふふ、嬉しい・・・。これは、わたしとお父さんだけの秘密・・・だから、一緒に幸せにしようね・・・ひ ろ し く ん 」

ひろし
「ああ、愛しているのはお前だけだよ。あ ず さ」


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